来週の株式相場に向けて=因縁の「中銀ウィーク」に突入、「波乱の9月」を乗り切れるか
日経平均株価は11日まで7日続落した後、12日には急反発した。しかし、今日は再び下落し軟調な値動きとなった。足もとの相場は一時1ドル=140円台後半まで急激に進んだ円高が警戒されている。トヨタの今期想定為替レートが1ドル=145円に設定されているように、一段の円高は為替差損を発生させてしまうことが懸念される。
そんななか、来週は因縁の「中銀ウィーク」に突入する。前回の7月30~31日は、特に日銀が追加利上げに踏み切るとともにタカ派姿勢を示し、その後の日経平均株価の大暴落につながった経緯がある。それだけに、市場参加者は日米中央銀行の動向に神経をとがらせている。
まず、17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場では0.25%の利下げが有力視されている。しかし、依然として0.5%利下げを予想する声も少なくない。利下げ幅が0.5%となった場合、一段の円高も考えられる。また、同時に発表される政策金利見通し(ドットチャート)の内容なども注視されそうだ。
続いて19~20日には日銀金融政策決定会合が開催される。前回の追加利上げ実施後だけに、今回は「現状維持が予想される」(アナリスト)という。むしろ、前回はタカ派姿勢が目立った植田和男日銀総裁が、どんなスタンスで記者会見に臨むのかが注目を集めそうだ。
「9月は波乱の月だ」と市場関係者は言う。2008年の「リーマン・ショック」や01年のアメリカ同時多発テロ「セプテンバー・イレブン」は9月の出来事だ。更に、今年は米大統領選挙の年であり、10月には選挙結果を大きく左右する「オクトーバーサプライズ」も気にされている。9月の中銀ウィークを抜ければ、自民党総裁選を含めた「秋の政治相場」が始まる。そんななか、来週は一段と為替相場を意識しながらの展開となりそうだ。
上記以外の来週のスケジュールでは、海外では16日に米9月ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に米8月小売売上高、米8月鉱工業生産、18日に米8月住宅着工件数、19日に米9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。19日にフェデックス<FDX>が決算発表を行う。
国内では、16日は「敬老の日」で休場。18日に8月訪日外客数、7月機械受注、8月貿易統計、20日に8月消費者物価指数(CPI)が発表される。17日にパーク24<4666>、サンバイオ<4592>、コーセル<6905>、20日にサツドラホールディングス<3544>が決算発表を予定している。(岡里英幸)