アドビが決算受け下落 第4四半期のガイダンスに失望感=米国株個別
(NY時間09:37)(日本時間22:37)
アドビ<ADBE> 533.00(-53.55 -9.13%)
アドビ<ADBE>が下落。前日引け後に6-8月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、株価は冴えない反応。第4四半期のガイダンスで1株利益および売上高の見通しが予想を下回ったことが嫌気されている。
市場では、同社のAIツールの売上に対する期待が高まっているだけに、第4四半期の見通しへの失望感が強いようだ。同社は独自のAIモデル「ファイヤーフライ」をフォトショップやイラストレーターなどの製品に組み込むなど、アプリケーションにAI機能を追加している。そのほか、3Dや動画編集ソフトにも同様の技術開発に取り組んでいる。
しかし、市場ではここ数カ月、AIが同社やセールスフォース<CRM>、ワークデイ<WDAY>といった従来のソフトウェア企業の事業を圧迫するのではという懸念が高まっている。
アナリストは「投資家たちは下半期の同社の財務実績にAIが表れることを期待し、第4四半期にそれを確認したかった可能性が高い」と述べた。同社がAI機能への投資を回収する手段の1つはクリエイティブソフトウェアの値上げだが、それには数四半期または数年を要する可能性がある。
(6-8月・第3四半期)
・1株利益(調整後):4.65ドル(予想:4.53ドル)
・売上高:54.1億ドル 11%増(予想:53.7億ドル)
サブスク:51.8億ドル(予想:51.3億ドル)
製品:0.82億ドル(予想:1.31億ドル)
・デジタルメディア:40.0億ドル(予想:39.7億ドル)
・クリエイティブ:31.9億ドル(予想:31.9億ドル)
・ドキュメントクラウド:8.07億ドル(予想:7.86億ドル)
・デジタルエクスペリエンス:13.5億ドル(予想:13.4億ドル)
・残存履行義務:181.4億ドル(予想:182.6億ドル)
・デジタルメディア新規ARR:5.04億ドル(予想:4.60億ドル)
・デジタルメディアARR:167.6億ドル(予想:167.0億ドル)
・営業利益(調整後):25.2億ドル(予想:24.7億ドル)
(9-11月・第4四半期見通し)
・1株利益(調整後):4.63~4.68ドル(予想:4.68ドル)
・売上高:55.0~55.5億ドル(予想:56.0億ドル)
サブスク売上高:12.3~12.5億ドル(予想:12.4億ドル)
・デジタルメディア:40.9~41.2億ドル(予想:41.4億ドル)
・デジタルエクスペリエンス:13.6~13.8億ドル(予想:14.0億ドル)
・デジタルメディア新規ARR:約5.50億ドル(予想:5.61億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース