米大統領選、どちらが勝利でも株式市場にはマイナスとの指摘 上下両院がむしろ割れることを期待
ハリス氏とトランプ氏との選挙戦は混戦が予想されている中で米大手銀のストラテジストは、どちらの候補が勝利しても株式市場にはマイナスだと指摘している。一方、上下両院がむしろ割れることを期待しているという。
同ストラテジストは「11月の選挙でどちらの候補も経済政策を実施するのに十分な余裕がないまま終わることが逆に投資家にとって良い結果をもたらす」と主張。ハリス氏とトランプ氏のどちらの提案も完全に実施された場合、株式市場にとってはマイナス要因になる。ハリス氏は富裕層に対する法人税とキャピタルゲイン課税の引き上げを提案。一方、トランプ氏は関税の引き上げによる政府収入の増加に重点を置いている。
ただ、議会が分裂すれば、適正価値に対する短期的なリスクのほとんどが軽減されるとの見方も示した。
選挙を巡る懸念材料の1つとして、トランプ氏の1期目の減税措置が2025年に期限切れを迎えることが挙げられる。同ストラテジストによると、税制環境に変更があれば、個人消費、企業収益、連邦財政赤字に影響が及ぶ可能性があるという。
「各候補者の政策方針は向こう10年間の財政赤字予測を徐々に増加させる。われわれは選挙後に投資家の間で財政赤字のテーマがより前面に押し出されるという懸念を繰り返し表明し続けている」と述べた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース