インテリックス Research Memo(4):迅速な仕入れ体制と独自開発したリノベーションに関する施工ノウハウが強み

特集
2024年9月19日 15時04分

■インテリックス<8940>の事業概要

2. 同社の強み

リノベーション事業分野における同社の強みは、第1に採算が見込める優良物件を迅速に仕入れる体制を構築していることが挙げられる。不動産仲介会社から寄せられる売却物件情報(月2,500~3,000件程度)に関して、同社は1~2日で担当者が現場の状況を確認し、最終的な仕入れの判断を行っている。大手不動産会社であれば、仕入れ判断に通常1週間程度の時間がかかると言われており、同じタイミングで売却物件情報を入手した場合には、同業他社よりも先に優良物件の仕入れが可能となる。ただ、首都圏においてはここ数年で大手デベロッパーも含めて中古マンション市場に参入する企業が増え、従来のように優良物件を適正価格で仕入れることが難しくなってきており、直接売主から仕入れる体制についても強化し始めている。

第2の強みとして、マンションの戸別リノベーションにおいて独自開発した施工ノウハウを確立していることが挙げられる。マンションの戸別リノベーションでは、戸建住宅と比較して近隣住戸への配慮が必要となるため、短期間での施工や騒音・振動対策が求められる。同社はこうした課題を解決する方法として、これまで手掛けてきた数多くのリノベーション施工の経験をもとに、マンションに特化したリノベーション工法を確立している。具体的には、躯体への穴あけやビス打ちを最小限にとどめる静音施工に加えて、給水・給湯を1ヶ所に集めたヘッダー配管を採用するなどインフラ設備や下地をシステム化することによる施工品質の均質化、並びにその後のメンテナンス作業も含めた効率化を実現している。さらに、マンションの場合は電気配線や水道、ガス管など生活インフラ部分を共有しているため、工事の際にはその取扱いにも十分注意する必要がある。同社はこうしたマンションのリノベーションにおける施工マニュアルを作成し、施工を行う協力会社のサービス品質の維持向上に努めている。また、こうした施工技術を強みに大手不動産会社からもリノベーション施工を数多く請負っているため、中古マンションの市況動向をいち早くキャッチでき、自社の営業活動に生かせる点も強みの1つと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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