富田隆弥の【CHART CLUB】 「金融イベント通過で焦点は10月」
金融イベント通過で焦点は10月
◆注目された9月17-18日の米FOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(連邦準備制度理事会)は0.5%の利下げを決め、さらに年内0.5%の追加利下げが想定されている。発表直後にマーケットは大きく乱高下したが、翌19日の日経平均株価は775円高と大幅に上昇した。
◆為替(ドル・円)が一時143円94銭を付けるなど円安に振れたことを好感したほか、テクニカル指標(サイコロジカルライン、RCI)が底値圏に来ていたことで反応しやすかったといえる。9月中間期の配当権利付き最終日(9月26日)まで上昇基調を維持してもおかしくない。
◆ただ、為替が「円安基調」に反転したとはまだ言えない。日経平均株価の日足チャートは200日移動平均線(19日時点3万7599円)に迫ったところであり、好転の兆しを見せるには75日線(同3万8313円)や9月2日の戻り高値3万9080円を突破して4万円大台乗せがほしい。それを確認するまでは、大きな「もみ合い」(3万4000円から3万9000円)の渦中である。
◆米国では19日にNYダウが4万2000ドルに乗せ史上最高値を更新した。FRBの利下げを素直に好感した格好だが、20日のメジャーSQ(クアドルプル・ウィッチング:株価指数先物、株価指数オプション、個別株先物、個別株オプション取引の清算日)に絡んで一時的に買いが集中した可能性もある。この先、10月相場が一つの焦点になる。
◆FRBの利下げは4年半ぶりだが、NYダウは2020年3月のコロナショック時から過剰流動性の金融相場を4年半続けている。上昇している間は問題ないが、金融政策の変更が相場の転機になることは珍しくない。ここからはNYダウのチャートで「調整入り」サインの点灯があるかに注意しておく。
(9月19日 記、次回更新は9月27日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース