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新発見の不動産投資、株式を5倍以上しのぐ運用効率とは

特集
2024年9月21日 13時00分

日経CNBC×株探 コラボ第3弾
「幸福寿命」を延ばす資産形成アカデミー 第5回

田中彰一田中彰一
日本経済新聞社コンテンツプロデューサー兼日経CNBC解説委員
1989年、日本経済新聞社入社。主に金融・資本市場担当。ニューヨーク駐在などを経て2018年より現職。日経電子版コンテンツ開発、ニュースレター執筆、経済番組解説の「創る・書く・話す」の三刀流をこなす。お宝株を紹介する日経CNBCの動画「未来のブルーチップを探せ」は2023年の年間アクセス数首位。著書は『「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」』(日本経済新聞出版)など多数。小冊子「日経記事でマネートレーニング」(東京証券取引所)は金融経済教育を推進する証券知識普及プロジェクトの認証を受けた。マネーと不動産の実務と健康に詳しい。

株探ユーザーの皆さんは不動産投資と聞くと真っ先にどんなイメージを浮かべますか? REIT? 土地転がし? あるいは不動産株?

私のように昭和世代のビジネスマンはだいたい「悪」「危険」「破綻」などネガティブな印象を抱く方が多いようです。

私は現役記者だった1999年、「不動産業界」で財務担当取材のデビューを果たしました。当時の不動産業界は真冬の時代。土地バブル崩壊の最終局面を迎え、1997~98年に山一証券や日本長期信用銀行などが次々と破綻。金融システム不安が増大していました。大京が銀行支配下に入り、「ブラックリスト」として中堅不動産がいくつも名をあげられるなど暗雲が覆っていました。

私はもともと財務の勉強をしたいと上長に志願してマーケット担当から振り替えてもらったのですが、財務諸表の大部分は虚偽記載。開示情報が信頼をおけるようになるのは2000年以降の会計ビッグバンからで、当時は経理・会計担当者が知恵を絞って合法的な粉飾に走っていた時代でした。

脱線しましたが、不動産投資は後ろ向きの印象がある一方、長期間安定したキャッシュフローを稼ぐ経営手段でもあります。実家の祖父は農業を営んでいたのですが、高度成長期に田畑の8割以上を売却しました。「農業はいずれ廃れる。別の生計手段が必要」と考えて、1960年代に戸建て賃貸物件を複数建設したのです。この貸家は55年を経たいまも現役で稼働し、叔母の生活を支えています。

■リスクグラフ、不動産は狭いゾーンに

株探ユーザーからすると、「要するに株式に比べて不動産って魅力があるのかないのか」というのがおそらく率直な疑問でしょう。この問いの答えはアナリストやストラテジストにはわかりませんし、不動産のプロに聞いても解は出てこないのではないかと思います。

図1をご覧ください。日経平均株価と都内のマンション賃料の値動きです(青のライン)。両方に年間高値を結んだグラフ、安値をつないだグラフを併記してみました(赤のライン)。日経平均株価の場合、終値グラフに対して高値グラフと安値グラフの差が大きく広いゾーンを形成していることがわかります。

図1 株式と実物不動産、最大の相違点①

【タイトル】

リスクは厳密には偏差(ばらつき)で表示しますが一般個人には無意味なので、私は肌感覚でわかる高値・安値の振れ幅を使っています。

2024年は「令和クラッシュ」があったので高値と安値の幅はなんと約1万1000円です。通常、株価グラフといえば終値の変化幅でしかみていかないので、こうした事実はなかなか気づかないですよね。

家賃はどうでしょう。たしかに賃料はブレますが、わずか数千円、数百円レベルですね。想像してみてください。10万円の家賃が来月からふいに11万円に上がることはありませんし、10万円から8万円に突然下がることはありません。契約更改は数年単位ですし、10万円が基準なら2、3年ごとに数千円刻みの値上がり、値下がりになるのが一般的です。

そう。株式はまさにハイリスク、そして不動産投資はミドルリスクなのです。ちなみに国債などはローリスクとなります。ここまで双方のリスクについて納得いただけたでしょうか?

50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識
※本稿は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(田中彰一著)から「新常識61」「同62」を抜粋し、株探ユーザー向けに加筆・再構成しました。取材歴35年のベテラン記者が明かす127のノウハウ(=新常識)の詳細については是非、同書をご覧ください。


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