アジア株 人民銀の迅速な対応も中国工業企業利益が水を差す 上海株上げ縮小、景気減速改めて意識
アジア株 人民銀の迅速な対応も中国工業企業利益が水を差す 上海株上げ縮小、景気減速改めて意識
東京時間11:01現在
香港ハンセン指数 20391.28(+466.70 +2.34%)
中国上海総合指数 3021.77(+20.81 +0.69%)
台湾加権指数 23028.59(+169.78 +0.74%)
韓国総合株価指数 2665.74(-5.83 -0.22%)
豪ASX200指数 8206.80(+3.14 +0.04%)
アジア株は総じて上昇、中国景気回復期待の買いが続いている。
中国政府はコロナパンデミック以降で最も積極的な景気刺激策を発表した、今年の経済成長目標5%前後達成に向け本気を出したようだ。中国政府は今週、大規模金融緩和を表明、翌日に1年物MLF金利をさっそく引き下げた。そのほか、不動産安定化策、株価下支え措置、10月1日からの国慶節大型連休の消費回復に向け貧困層への現金給付、上海市では総額5億元のクーポンを発行することを決めた。さらに、国有銀行に最大1兆元(1420億ドル)の資本注入も検討している。習近平国家主席率いる政治局は経済成長達成するために努力することを誓い、不動産市場の下落を止めることも約束した。
中国人民銀行はきょうから預金準備率を50bp、7日物リバースレポ金利を20bp引き下げた。人民銀行総裁は今週初め「近いうち」に引き下げると表明していたが、これほどまでに早く引き下げたことを中国市場は歓迎するだろう。また、14日物リバースレポ金利も1.85%から1.65%に引き下げた。
チャーマーズ豪財務相は中国の一連の景気刺激策は本当に歓迎すべき展開だとコメント。中国経済の弱さは豪州にも波及する、中国の景気減速は世界の経済成長の鈍化の要因となっていると指摘。
香港株は2万ポイント大台を突破、約1年半ぶり高値をつけている。不動産や消費者サービス、ハイテク、生活必需品など幅広い銘柄が上昇している。カジノ運営会社のサンズチャイナは8.3%高。米モルガンスタンレーが投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に引き上げたことが材料視されている。ギャラクシーエンターテイメントも5.5%高と連れ高。取引を再開した不動産開発会社大手の新世界発展は13.3%高、CEOが交代した。
上海株は上げ幅を縮小している。中国8月の工業企業利益が前年比-17.8%と前回の+4.1%からマイナスに転落、大幅減少となったことを受け、中国の景気減速が改めて意識されている。10月1日からの国慶節大型連休中の消費回復への期待から、食品・飲料、タバコ、生活必需品、ホテル、レストラン、レジャー施設、アパレル、雑貨などが総じて上昇している。