注目銘柄ダイジェスト(前場):三機工、東エレク、ライスカレーなど
三機工<1961>:2386円(+108円)
大幅続伸。東海東京証券では投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を3000円としている。半導体や蓄電池工場などの設備工事需要が強く、利益率上昇による収益拡大が予想される中、PERなどのバリュエーションから見て株価上昇の余地があると判断しているもよう。24年3月期からは本格的な収益拡大局面に入ったとみており、25年3月期営業利益は会社計画125億円を上回る152億円、前期比31.2%増と予想。
東邦銀<8346>:262円(+9円)
大幅続伸。前日に業績・配当予想の上方修正を発表している。上半期純利益は従来予想の30億円から45億円に、通期では47億円から64億円に、それぞれ一転して増益予想へと引き上げている。資金利益が当初予想を上回る見込みとなった一方、与信関係費用は当初予想を下回る見込みとなっているようだ。年間配当金も7円計画から8円に引き上げ、前期比でも1円の増配となる。
日野自<7205>:483.2円(+18.2円)
大幅続伸。エンジン不正問題を巡ってカナダ企業から損害賠償を求められていた訴訟で、和解が成立したと発表している。和解金は約60億円で、第2四半期に特別損失として計上するもようだ。23年10月に和解が成立した米企業からの損害賠償では、和解金は約350億円であった。エンジン不正問題では、豪州での集団訴訟などが残されているが、着実に不透明感は後退する方向と捉えられる。なお、本日は円安進行なども支援材料。
INPEX<1605>:1919円(-63円)
大幅続落。前日のNY原油相場では、先物11月限が前日比2%安で取引を終了しており、原油市況の下落をネガティブ視する動きが先行している。OPECプラスが12月に原油増産に踏み切るとの見通しが報じられており、原油需給の緩和が意識されているようだ。サウジアラビアでは1バレル=100ドルの原油価格の非公式目標を撤回、市場シェア回復を重視する方針に転換し、12月の原油増産に向けて準備を進めているとされている。
東エレク<8035>:26840円(+1080円)
大幅続伸。AI向け売上高の全体に占める比率は25年3月期に30%まで倍増する見通しと報じられている。金額では前期比2.5倍の6900億円になるようだ。今期だけでなく来期も需要増が続くとみており、AI用半導体の先行きに対する警戒感の払拭にもつながっているようだ。なお、マイクロンの好決算発表などを受けて米国市場ではアプライドマテリアルズなども上昇、SOX指数が3.5%ほどの上昇になっていることも支援に。
ライスカレー<195A>:1040円(+150円)
ストップ高。キッズ・ティーンズ向け財布・ポーチ・バッグ等のオリジナル服飾雑貨の企画・製造事業を展開するOEM・ODMメーカーの松村商店の全株式を取得し、連結子会社化することを発表し、これを好感した買いが優勢となっている。取得価額は概算で9.5億円。今回の株式取得により、同社がOEM・ODM領域(商品企画や製造、生産)への参入を本格的に加速することができ、企画・生産・販売促進まで一気通貫で行うコミュニティデータプラットフォーマーとしての体制構築を進めることができるとしている。
駅探<3646>:387円(+3円)
続伸。26日の取引終了後に音生社の全株式を取得し完全子会社化すると発表し、好材料視されている。音生社を駅探グループに迎え、「地域マーケティングプラットフォーム」の事業戦略の1つである地方自治体、地域事業者、来訪型店舗に対するソリューション展開において、音生社が保有しているSNSキャンペーンツール「Atatter」がそのソリューション強化につながると判断したことから子会社化することとしたとしている。
ラクオリア創薬<4579>:546円(+1円)
続伸。胃酸分泌抑制剤tegoprazanがマレーシアにおける販売承認を取得したことを発表、買いが先行している。Tegoprazanは、同社が創出したカリウムイオン競合型アシッドブロッカーと呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌抑制剤。同社は、導出先であるHKイノエン社とのライセンス契約に基づき、HKイノエン社が提携先から得る収益の一部を受け取る権利を保有している。今回、同社が受け取る一時金はないが、販売国拡大が中長期的に事業収益および企業価値の向上に寄与するものと考えているという。
《ST》