来週の為替相場見通し=「高市トレード」の巻き戻し
来週のドル円相場は、「高市トレード」をいったん巻き戻す動きが先行しそうだ。予想レンジは1ドル=141円00銭~144円50銭。
27日投開票の自民党総裁選で新総裁に石破茂氏が選ばれたことから、日銀の利上げ路線に否定的な見方を示していた高市早苗氏の勝利を見込んだ円売りポジションを解消する動きが出やすくなっている。石破氏は総裁選前のアンケート調査で「日銀の独立性を尊重」としつつ「経済や国民生活に支障が生じない範囲、ペースで正常化されることを期待する」と述べており、日銀の追加利上げに肯定的とみられる。日銀の追加利上げ観測が残り、ドル円相場の上値を抑えそうだ。
また、米連邦準備理事会(FRB)が18日に決めた大幅な利下げで米経済の急速な悪化を回避できるとの見方が続くかどうかにも注目したい。10月1日発表の米9月ISM製造業景況指数や4日発表の米9月雇用統計が市場予想を下回る結果となれば、FRBの緩和的な金融政策への思惑からドル安方向に振れやすくなるだろう。
なお、このほか来週に海外で発表される主な経済指標は、9月30日に9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)と9月のドイツ消費者物価指数(CPI)速報値、10月1日に9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値と8月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、2日に9月の米ADP雇用統計、3日に9月の米ISM非製造業景況指数と8月の米製造業新規受注など。国内では9月30日に8月の鉱工業生産・速報値、10月1日に日銀短観9月調査が公表される予定となっている。