マクロミル Research Memo(1):マーケティングリサーチを中心に、企業のマーケティングを総合的に支援する企業

特集
2024年10月1日 13時31分

■要約

マクロミル<3978>は、独自に構築した130万人の自社パネルに加え、国内提携会社のパネルも含めた約3,600万人のパネルネットワークを構築しており、それらのパネルを対象に調査を行うマーケティングリサーチ企業である。「お客様のより良い意志決定を支援するために、お客様が心から満足し、感動するサービスを提供する」という経営理念のもと、インターネットを活用した市場調査(ネットリサーチ)を主な事業内容とし、広告代理店、コンサルティングファーム、シンクタンク、調査機関、マスコミ、メーカー(自動車、食品、飲料、化粧品、家庭用品、医薬品、アパレル、電気機器、IT関連)、サービス業(流通、金融、通信、外食、レジャー)、官公庁など、幅広い業界と取引を行っている。同社のサービスは、オンラインリサーチ、デジタルリサーチ、グローバルリサーチ、オフラインリサーチ、購買データ分析・提供、統計解析・ビジュアライゼーションと多岐にわたる。また、昨今ではマーケティング活動の上流工程からマーケティング課題全体の解決を支援するため、コンサルティングや広告配信支援等、リサーチ以外の領域にも事業を拡大し、クライアントの課題を一気通貫で解決するためのデータドリブンなソリューションを提供している。また、プライバシーマークやISMS国際規格ISO/IEC 27001:2022の認証を取得しており、情報セキュリティにおいても高い水準を維持している。

1. 2024年6月期の業績概要

2024年6月期の業績は、売上収益43,861百万円(前期比8.0%増)、事業利益5,624百万円(同13.4%増)、営業利益4,470百万円(同0.6%減)、税引前利益4,746百万円(同27.3%増)、継続事業に係る親会社の所有者に帰属する当期利益2,293百万円(同29.0%増)となった。日本事業が好調に推移し、事業利益は生産性の向上により2ケタの増益となった。一方、Toluna Holdings Limited(以下、Toluna社)※の持分法投資損失の影響により営業利益は前期並みだった。2024年6月期は後述する新中期経営計画の初年度にあたるが、これまで進めてきたオンラインリサーチのキャパシティ課題の解消や、アウトバウンドセールスの再開等の施策が奏功し、好循環サイクルが回り始め順調に進捗した。中期経営計画では2023年6月期をボトムに2024年6月期からは利益改善を最優先事項として掲げており、Toluna社の持分法投資損失は計画外であったものの、事業利益では2ケタ増益となったことから、中期経営計画における順調なスタートだと弊社では見ている。

※ 同社は2023年6月に欧米を中心にマーケティングリサーチを実施していたMetrixLabグループをToluna社へ譲渡。譲渡対価として同社がToluna社の株式の17.4%等を取得し、2023年6月期第4四半期よりToluna社は同社の持分法適用会社となっている

2. 2025年6月期の業績見通し

2025年6月期の業績は、売上収益48,000百万円(前期比9.4%増)、事業利益6,200百万円(同10.2%増)、営業利益5,700百万円(同27.5%増)、税引前利益5,900百万円(同24.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,100百万円(同35.2%増)を見込んでいる。増収増益基調の継続により、2025年6月期も事業利益の2ケタ成長を予想している。また、持分法損失の縮小を見込んでいることから、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益も大幅な増益を計画している。足元の事業環境は好調に推移しており、通期計画達成の可能性は高いと弊社では考えている。

■Key Points

・複雑化するマーケティング課題を解決するため、上流からマーケティング課題全体の解決を支援する「総合マーケティング支援企業」へと、事業モデルの変革を継続

・2024年6月期は日本事業が好調に推移し、事業利益は2ケタ増益。新中期経営計画初年度として好調なスタート

・2025年6月期は好調な事業環境や持分法損失の縮小を背景に増収増益見込み。足元の事業環境も好調で通期計画達成の可能性は高い

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《EY》

提供:フィスコ

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