NY株式:NYダウは173ドル安、中東の緊迫化を警戒
米国株式市場は反落。ダウ平均は173.18ドル安の42,156.97ドル、ナスダックは278.81ポイント安の17,910.36で取引を終了した。
連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを急がない姿勢を受けた売りが続き、寄り付き後、下落。港湾労働者のスト突入で東海岸の港が閉鎖、9月ISM製造業景況指数が予想を下回り景気減速への懸念を受けた売りやハイテクが重しとなり相場をさらに押し下げた。その後、イランによるイスラエルへのミサイル攻撃が報じられると中東情勢悪化が警戒され、売りが一段と加速。攻撃終了とともに終盤にかけ下げ幅を縮小し、終了。セクター別では、エネルギーが上昇した一方、半導体・同製造装置が下落した。
防衛のRTX(RTX)やノースロップ・グラマン(NOC)などは地政学的リスク上昇で、買われた。航空機メーカー、ボーイング(BA)は新株発行で最低100億ドル調達計画が報じられ売られたが、中東情勢悪化で上昇に転じた。カジノを運営するラスベガスサンズ(LVS)や自動車メーカーのフォード(F)はアナリストの投資判断を引き上げ、上昇。給与・人事関連アウトソーシング・ソリューションを提供するペイチェック(PAYX)は四半期決算の結果や見通しを好感し、上昇した。
携帯端末のアップル(AAPL)は部品メーカーが第4四半期の新型アイフォーン生産を300万台程削減する可能性をアナリストが指摘し、売られた。宝石小売り会社のシグネット・ジュエラーズ(SIG)は最高経営責任者(CEO)のドロソス氏が退任を発表し大幅安。金融サービスのチャールズ・シュワブ(SCHW)もベッティンジャーCEOが年末に退任すると発表し、下落した。
スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)は取引終了後に四半期決算を発表。1株当たり利益が予想を上回ったほか、中国の売り上げ回復で、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
《ST》