ナイキ、決算受け時間外で上下動 11月の投資家説明会を延期 通期ガイダンスを破棄=米国株個別

材料
2024年10月2日 5時59分

(NY時間16:59)(日本時間05:59)時間外

ナイキ<NKE> 86.53(-2.60 -2.92%)

ナイキ<NKE>が時間外で上下動。引け後に6-8月期決算(第1四半期)を発表し、売上高は予想を下回ったものの1株利益は予想を上回った。北米が予想範囲内の売上高だった一方、中国は予想を上回った。粗利益率も予想を上回っている。株価は発表直後こそ時間外で上昇したものの、直ぐに下げに転じている。

今回の決算は今月末にCEOに就任するヒル氏の課題を浮き彫りにしている。11月に予定していた投資家向け説明会の延期も発表。これにより、ヒル氏は市場に戦略を提示する前にその内容を練り上げる時間を確保できる。

粗利益率の上昇については、製品、倉庫、物流コストの削減を理由に挙げている。昨年実施した価格調整も収益性向上に貢献したとも指摘。ただ、投資家は新CEOの戦略を待っており、今四半期は捨て石のようなものだと考えている。今回の数字はさほど重要ではないとの見解も出ている。

重要なのは、誰もが同社株は今後ヒル氏が何をやるかにかかっていることを理解しており、それは本当に取り組むことのできないとアナリストは語った。

ナイキの取締役会は、eコマースの専門知識を活かして同社をデジタル分野の強豪に変貌させることを期待して、元eBay社およびベイン&カンパニーのトップであるドナヒュー氏を最高経営責任者に選んだ。同氏は、同社の小売パートナーの半数以上に対して、スニーカーの供給を停止または削減し、代わりにナイキの直営店、ウェブサイト、アプリを推奨した。

ドナヒューの指揮の下、ナイキはダンクやエアフォース1などのライフスタイルスニーカーの急速な成長により、500億ドルの収益目標を達成した。しかし、昨年それらの商品の需要が冷え込むと、経営陣はそれらに代わる商品を慌てて探し、オン、ホカ、サロモンといったブランドとの競争が激化する中、同社が撤退した店舗の棚スペースを素早く埋めていった。

昨年12月にはドナヒューが20億ドルのコスト削減計画を発表し、その一環として従業員数を2%削減を発表。この計画は今年前半に段階的に実施された。そして6月は1980年の株式公開以来、最悪の一日を経験した。経営陣は当時、今期の売上は減少するだろうと予測していた。これにより、ドナヒュー氏と経営陣に対する投資家の圧力はさらに強まったという。

なお、同社は通期のガイダンスを破棄すると発表した。

(6-8月・第1四半期)

・1株利益:0.70ドル(予想:0.52ドル)

・売上高:115.9億ドル 10%減(予想:116.5億ドル)

北米:48.3億ドル(予想:48.4億ドル)

EMEA:31.4億ドル(予想:32.7億ドル)

大中華圏:16.7億ドル(予想:16.2億ドル)

アジア太平洋・中南米:14.6億ドル(予想:14.5億ドル)

グローバルブランド:0.14億ドル(予想:0.12億ドル)

コンバース:5.01億ドル(予想:5.23億ドル)

フットウェア:74.6億ドル(予想:75.3億ドル)

アパレル:30.3億ドル(予想:30.9億ドル)

設備:6.03億ドル(予想:5.56億ドル)

・粗利益率:45.4%(予想:44.4%)

・北米EBIT:12.2億ドル(予想:11.1億ドル)

・EMEAEBIT:7.92億ドル(予想:7.68億ドル)

・大中華圏EBIT:5.02億ドル(予想:4.49億ドル)

・アジア太平洋・中南米EBIT:4.02億ドル(予想:3.65億ドル)

・在庫:82.5億ドル(予想:81.2億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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