外為サマリー:地政学リスクを背景とした円買い一巡で143円80銭台に下げ渋る
2日の東京外国為替市場のドル円相場は、午前10時時点で1ドル=143円82銭前後と前日の午後5時時点に比べて35銭程度のドル安・円高となっている。
1日のニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、1ドル=143円57銭前後と前日に比べて6銭程度のドル安・円高で取引を終えた。イスラエルとイランを巡る中東情勢の緊張が高まるなか、低リスク通貨とされる円が選好され142円90銭台まで下押す場面があった。
ただ、この日の東京市場では地政学リスクの高まりを背景としたドル売り・円買いは一巡し、ドル円相場は下げ渋る展開。1日に発表された8月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が強い内容だったことなどがドルの下支えとなっているようだ。また、石破茂首相が1日夜の就任会見で「金融緩和の基本的基調は維持されるものと期待し、見守っている」などと述べたことで、日銀による早期の追加利上げ観測が後退している面もあり、午前9時50分ごろには143円87銭をつけた。一方、欧州中央銀行(ECB)の利下げ思惑が強まっていることからユーロが軟調な動きとなっている。
ユーロは対ドルで1ユーロ=1.1065ドル前後と前日の午後5時時点に比べて0.0050ドル程度のユーロ安・ドル高。対円では1ユーロ=159円14銭前後と同1円10銭程度のユーロ安・円高で推移している。