スカラ Research Memo(3):DX事業、人材事業、EC事業等、5つの事業を展開(1)
■スカラ<4845>の会社概要
2. 事業内容
同社は事業セグメントをDX事業(旧 IT/AI/IoT/DX事業及び旧 カスタマーサポート事業)、人材事業(旧 人材・教育事業)、EC事業、金融事業(旧 保険事業)、インキュベーション事業の5つに区分して開示しており、2024年6月期の事業セグメント別売上構成比は、DX事業が55.1%と過半を占め、次いでEC事業が21.0%、金融事業が11.4%、人材事業が9.7%、インキュベーション事業(旧 投資・インキュベーション事業)が2.8%となっている。
2024年6月期は事業の集中と選択により、複数の子会社を売却また整理・統合した。2025年6月期の各事業セグメントを構成する子会社について整理して見ると、DX事業はSaaS/ASPサービスやシステム受託開発を主に展開する(株)スカラコミュニケーションズ、ふるさと納税システム※1やフレイル※2対策、各種事務局システムの開発・保守を展開するエッグ、クラウド活動管理ツールを開発・販売を行う(株)Retoolの3社で主に構成され、コールセンターサービスを提供していた(株)スカラサービスの一部をスカラコミュニケーションズに統合した。また、SaaS/ASPサービスを開発していたreadytoworkの株式を2024年4月に譲渡し連結対象から外したほか、同年7月にカスタマーサポート運営のコンサルティングを手掛けていたレオコネクトの清算決議を行い、同事業から撤退することが決定している。
※1 寄附者情報や返礼品の管理、各種関連書類の作成等を、自治体職員が正確・簡単に行うことができるシステム。エッグは国内で初めて同システムを開発・提供し、地方自治体の1/3に当たる680以上の自治体に導入実績を持つ。
※2 「フレイル」とは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態として、(一社)日本老年医学会が2014年に提唱した概念。多くの高齢者は健常な状態から、筋力が衰える「サルコペニア」という状態を経て、さらに生活機能が全般に衰える「フレイル」となり、要介護状態に至ると考えられている。
人材事業については、体育会系大学生の新卒採用支援サービスを主に展開している(株)アスリートプランニングと、2024年1月に新設した中途採用支援サービスを提供する(株)GeaREmake(ギアリメイク)の2社で構成される。幼児教育サービスを展開していたフォーハンズは2024年3月に、スポーツ教室を運営していたスポーツストーリーズ及びその子会社のブロンコス20については同年6月に株式を譲渡し連結対象から外れている。
EC事業については従来どおり(株)スカラプレイスで対戦型ゲームのトレーディングカード売買ECサイトを運営しており、金融事業については日本ペット少額短期保険でペット保険を開発・販売している。インキュベーション事業では、同社で戦略投資事業(M&A支援サービス)を展開しているほか、(株)ソーシャル・エックスで官民共創プラットフォーム「逆プロポ」の企画・運営等、(同)SCLキャピタルで投資ファンド運営事業を行っている。法人向けワーケーションサービスや新規事業開発を行っていたスカラパートナーズについては、スカラコミュニケーションズに統合した(法人向けワーケーションサービスからは撤退)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》