株価指数先物【寄り前】 円安基調が継続することでロング優勢の展開に

市況
2024年10月3日 8時09分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 38690 +940 (+2.49%)

TOPIX先物 2696.0 +50.5 (+1.90%)

シカゴ日経平均先物 38665 +915

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

2日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。朝方発表された9月のADP雇用統計は民間雇用者数が14万3000人増加と、市場予想(12万5000人程度)を上回り、米労働市場は底堅いと受け止められた。イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念からNYダウは下落に転じる場面もみられたが、全面戦争への発展は避けられるとの見方もあり、前日に売られたハイテク株を中心に買い戻す動きとなった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、エネルギー、商業サービス・用品が上昇した一方で、自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、運輸が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比915円高の3万8665円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比170円高の3万7920円で始まり、買い一巡後は3万7780円まで上げ幅を縮める場面もあったが、マイナスに転じることはなくロング優勢のなかで3万8300円台を回復。米国市場の取引開始直後に3万8060円まで軟化したものの、売り一巡後は再びロングが強まり、終盤にかけて一時3万8740円まで上げ幅を広げ、3万8690円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは一時3万8740円まで買われており、日中取引での下落分をほぼ吸収した。ただし、ナイトセッションでボラティリティの大きい状況が目立っており、買い一巡後はこう着感が強まる可能性はありそうだ。

昨夕に石破茂首相と日銀の植田和男総裁が初会談を行い、現在は追加の利上げをするような環境にないとのハト派的な見解を示した。これに予想を上回ったADP雇用統計が加わり、為替市場では円相場が1ドル=146円台半ばまで円安が進んだ。9月27日の高市トレードで付けた円安水準を上回っており、株式市場でもショートカバーに向かわせよう。

昨日の日経225先物は地政学リスクの高まりによってショート優勢となり、75日移動平均線(3万8050円)を割り込み、終盤にかけて一時3万7670円まで売られた。ナイトセッションでは開始後ほどなくして75日線を上回ると、前日のチャート上の陰線を埋める上昇をみせている。ボリンジャーバンドの+1σ(3万8560円)を上回ってきており、同水準をキープできるかが注目される。

+1σ水準での底堅さが意識されてくるようだと、+2σ(3万9700円)とのレンジでの推移が期待されてくるだろう。もっとも、ナイトセッションでの変動が大きい分、日中は膠着感が強まりやすい。中東情勢の緊迫化から積極的にはポジションを傾けづらく、関連する報道によってアルゴリズムが発動することも考えられる。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万8500円を中心とした上下の権利行使価格3万8000円から3万9000円のレンジを想定する。3万8500円での底堅さがみられる局面では、3万8500円から3万9500円のレンジに切り上がろう。

ADP雇用統計の結果から、4日に発表される9月の米雇用統計も予想を上回る可能性があるとみられ、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退しそうだ。日銀の早期利上げ観測も後退するなか、円安基調が継続することでロング優勢の展開が期待される。

なお、2日の米VIX指数は18.90(前日は19.26)に低下した。ただし、一時20.36と不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超える場面がみられたほか、25日線(17.58)を上回っての推移となっていた。ボトム圏での推移を継続しているものの、地政学リスクへの警戒は燻り、しばらくは見極めが必要だろう。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。商社株などTOPIX型に買いが入っており、足もとのレンジである14.30~14.40倍を下放れてきた。25日線(14.22倍)、200日線(14.23倍)が支持線として機能するかを見極める必要はありそうだ。本日は米ハイテク株の上昇を受けてNTショートを巻き戻す動きになりそうだが、レンジ下限辺りで戻りの鈍さがみられるようだと、目先的にはNTショートでのスプレッド狙いが入りやすくなりそうだ。

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