欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、円売り継続も米雇用悪化ならドル失速

通貨
2024年10月3日 17時25分

3日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。日銀の金融正常化期待の後退で、円売りがドルを押し上げる展開。ただ、今晩発表の米雇用関連指標が低調なら緩和的な米金融政策をにらんだドル売りが相場の重石となりそうだ。

石破首相は前日夕に植田日銀総裁と会談後、「追加利上げの環境にあるとは考えていない」と記者団に語ると円は急落。その後発表された米国のADP雇用統計で民間部門雇用者数は予想より強く、労働市場の活況を期待したドル買いが優勢に。ユーロ・ドルは1.1030ドル台に下げ、ドル・円は146円台に浮上した。本日アジア市場で円売り地合いの継続でドル・円は146円前半から上向き、147円を上抜ける場面もあった。

この後の海外市場は引き続き中東情勢が注目されるなか、安全通貨のドルと円の買いは一服。今晩の米経済指標でチャレンジャー人員削減数と新規失業保険申請件数で雇用情勢の悪化が示されれば、景気減速懸念で連邦準備制度理事会(FRB)の緩和的な金融政策を見込んだドル売りが強まる見通し。明日の雇用統計を見極めようと、積極的なドル買いは入りづらい。一方、日銀の追加利上げ観測は後退も、円売りは一巡しそうだ。

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 ユーロ圏・9月サービス業PMI改定値(予想:50.5、速報値:50.5)

・17:30 英・9月サービス業PMI改定値(予想:52.8、速報値:52.8)

・18:00 ユーロ圏・8月生産者物価指数(前年比予想:-2.4%、7月:-2.1%)

・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.1万件、前回:21.8万件)

・22:45 米・9月サービス業PMI改定値(予想:55.4、速報値:55.4)

・23:00 米・9月ISM非製造業景況指数(予想:51.7、8月:51.5)

・23:00 米・8月製造業受注(前月比予想:+0.1%、7月:+5.0%)

・23:00 米・8月耐久財受注改定値(前月比予想:0.0%、速報値:0.0%)

・23:00 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁あいさつ(地域金融関連会合)

・23:40 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁・ボスティック米アトランタ連銀総裁対談(包摂的経済)

《CS》

提供:フィスコ

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