話題株ピックアップ【夕刊】(1):三陽商、ワールド、セブン銀
■三陽商会 <8011> 2,646円 +252 円 (+10.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
三陽商会<8011>が急伸。午前11時ごろ、上限を101万株(発行済み株数の8.65%)、または30億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。取得期間は10月7日から来年2月20日までで、株主還元の拡充及び資本効率の向上を図ることが目的としている。同時に発表した第2四半期累計(3~8月)連結決算は、売上高279億200万円(前年同期比0.9%減)、営業利益5億9900万円(同16.5%減)、純利益4億5700万円(同38.5%減)だった。第1四半期において、コロナ禍明けのリベンジ消費が盛り上がり好調だった前年の反動が出たことや、繰り越し在庫の大幅減少によるセール販売の不振があり、売り上げが減少した。プロパー販売(正価販売)の強化やセール販売における値引き幅の縮小などで売上総利益率は改善したものの、人件費を中心に販管費が膨らんだことで減益を余儀なくされた。25年2月期通期業績予想は、売上高625億円(前期比1.9%増)、営業利益33億円(同8.3%増)、純利益31億円(同11.2%増)の従来見通しを据え置いている。
■ワールド <3612> 2,058円 +144 円 (+7.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ワールド<3612>が続急伸。3日の取引終了後に発表した25年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結決算は、売上収益が1101億1300万円、最終利益が46億6900万円だった。最終利益の通期計画に対する進捗率は約55%と順調で、見直し買いを誘ったようだ。同社は前期に決算期を2月に変更している。参考数値として記載された前年同期との比較では売上収益は6.8%増、最終利益は41.9%増となった。Eコマースが好調に推移したほか、ブランド古着販売の「ラグタグ」やブランドバッグのシェアリングサービス「ラクサス」が成長し、デジタル事業の収益が拡大した。あわせて9月の国内小売事業の月次売上概況も公表。既存店売上高は前年同月比3.1%増となり、2カ月連続で前年を上回った。
■セブン銀行 <8410> 300円 +20.6 円 (+7.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
セブン銀行<8410>が急騰。米ブルームバーグ通信が3日の取引終了後、「セブン&アイ・ホールディングス(HD)は子会社セブン銀行株の一部を売却し、連結対象から外すことを検討している」と報じた。カナダのコンビニエンスストア大手のアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けるセブン&アイ・ホールディングス<3382>は一歩踏み込んだ構造改革を進めると伝えている。株式市場ではセブン銀の売却方法に関心が向かうこととなり、株価にプレミアムを上乗せしたTOB(株式公開買い付け)を巡る思惑も台頭しているもようで、物色人気化したようだ。
■クスリアオキ <3549> 3,487円 +207 円 (+6.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
クスリのアオキホールディングス<3549>が大幅続伸。3日の取引終了後に発表した第1四半期(5月21日~8月20日)連結決算が、売上高1203億3300万円(前年同期比12.0%増)、営業利益73億3900万円(同10.2%増)、純利益52億4900万円(同9.6%増)と2ケタ営業増益となったことが好感された。引き続き調剤併設率の向上を図るとともに、生鮮食品導入による品ぞろえの強化に取り組んでおり、ドラッグストアを北信越に2店舗、関東に1店舗の合計3店舗の出店を行ったほか、ドラッグストア併設調剤薬局を北信越に10薬局、東北に2薬局、関東に4薬局、東海に2薬局、関西に2薬局の合計20薬局を新規に開設。また、あわせて既存店の改装を進めたことも寄与した。なお、25年5月期通期業績予想は、売上高4850億円(前期比11.0%増)、営業利益251億700万円(同35.2%増)、純利益181億700万円(同47.1%増)の従来見通しを据え置いている。同時に600万株(発行済み株数の5.71%)、または200億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は10月4日から来年10月1日までで、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を含む市場買い付けにより取得するとしており、4日朝のToSTNeT-3で600万株を上限に3日終値である1株3280円で買い付けを行うとした。
■KeePer技研 <6036> 4,335円 +195 円 (+4.7%) 本日終値
KeePer技研<6036>が大幅続伸。3日の取引終了後に発表したキーパーラボ運営事業の9月度月次売上高で、既存店売上高が前年同月比6.7%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。「キレイに長く乗りたい」という需要が依然として高く、施工台数の増加と平均単価の上昇につながったという。また、台風の影響で8月後半にあった予約が9月に変更されたことや「予約簡略アプリ」の導入なども寄与した。
■タスキホールディングス <166A> 662円 +27 円 (+4.3%) 本日終値
タスキホールディングス<166A>が続伸。3日取引終了後、グループ会社のZISEDAIが提供する物件情報管理サービス「TASUKI TECH LAND」の導入社数が100社を突破したと発表。これが手掛かりとなった。
■INPEX <1605> 2,166円 +82.5 円 (+4.0%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が4日続伸。3日の米原油先物相場では、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の11月限が前日比3.61ドル高の1バレル=73.71ドルと上昇。一時、74ドル近辺まで上値を追った。中東情勢が緊迫化するなか、イスラエルがイランの石油施設などに報復攻撃を仕掛ける可能性があると伝わった。原油価格の上昇を受け、INPEXなど石油関連株への買いが優勢となった。
■タウンズ <197A> 632円 +20 円 (+3.3%) 本日終値
タウンズ<197A>が3日ぶり反発。「マイコプラズマ肺炎」が全国的に流行しており、なかでも東京都では9月16日から22日の週における都内25カ所の定点医療機関から報告された患者数が70人(1定点当たり2.80人)と過去最多を更新している。同社は、マイコプラズマ抗原を迅速に検出するための抗原検出キット「イムノエース マイコプラズマ」を提供していることから関連銘柄として関心が高まっているもようで、ほかに同じく抗原検出キット「クイックチェイサーMyco」を提供するミズホメディー<4595>なども買われた。
■ポーラHD <4927> 1,562円 +46.5 円 (+3.1%) 本日終値
ポーラ・オルビスホールディングス<4927>が4日続伸。同社は3日、新製品「リンクルショット メディカル セラム デュオ」を25年1月1日に発売すると発表しており、好材料視された。新製品は、シワ改善化粧品のパイオニアであるリンクルショットブランドから投入される、顔のさまざまな部位に存在する散在シワに着目した美容液。国内初年度27億円の売り上げを目指すとしていることから、業績への貢献が期待されている。
■三菱UFJ <8306> 1,480円 +31.5 円 (+2.2%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクがそろって上昇。北洋銀行<8524>や七十七銀行<8341>など地銀株も堅調に推移している。前日の米国市場では9月の米ISM非製造業景況感指数が前月比で上昇し、米国景気の底堅さが意識された。米原油先物相場の上昇を背景に、インフレ圧力が強まるとの見方も加わり、米長期金利はおよそ1カ月ぶりの水準に上昇した。円債市場では前日に財務省が実施した10年債入札が比較的強い結果となり、長期金利に低下圧力がかかったが、4日は米債相場の流れを引き継ぎ、長期金利は0.870%に上昇している。国内金利の低下が一服したことを受け、銀行株には買い戻しが入ったようだ。
株探ニュース