好調な米雇用統計は米株式市場にとって朗報 ゴルディロックス経済が復活か

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2024年10月5日 3時51分

ウォール街は予想を上回る好調な米雇用統計を歓迎している。この日の米雇用統計は労働市場が過熱も冷え込みもしていないことを示す内容であった。雇用増加の加速、失業率の僅かな低下、賃金上昇率の増加は、まさに適度なものだった。

本日の米株式市場はナスダックとラッセル2000を中心に上昇。米国債利回りも上昇している。金は僅かに下落し、ビットコインは上昇。VIXは下落している。これはハードランディングに対する懸念が後退したためで、投資家のリスク許容度の回復を示す。

ストラテジストは「FRBが利下げを行っている最中に経済が再び加速していることを示し、株価が上昇するのは当然だ。景気後退への懸念は今後も弱まり続けるはずで、投資家は守りのラリーを弱めるべきだ」と語っている。高配当利回りの景気敏感株は、いわゆる債券の代替銘柄よりも良いパフォーマンスを示すはずで、その点から言えば、産業、素材、金融、消費裁量を選好しているという。

別のストラテジストも、本日の米雇用統計は良い兆候だと指摘。経済指標は月ごとに変動する可能性はあるものの、株式市場の全体的な傾向は依然として上昇傾向にある。経済が安定していれば、来年は企業業績と市場のリターンにとって良い年になるだろうと述べた。 

一方、投資家は少し冷静になるべきで、リスクの高い株式に過剰に投資するのは間違いかもしれないとの警告も聞かれる。「本日の米雇用統計は、空が落ちてくることはないことを示している。しかし、いまの株式市場は滑走路に機体が接触しても気づかないほどの、かすかな着陸を織り込んでいるようにも見える」と述べた。

それらを踏まえたうえで投資家は急激な行動を取るべきではなく、債券投資が依然として理に適っているという。FRBが短期金利を引き下げているため、米国債は依然としてポートフォリオにおける防御的なポジションとして有効だとしている。モメンタムを追うのではなく、戦略的資産配分に固執すべきだ。つまり、株式が上昇を続ける中でも、まだ債券を売却すべきではないという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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