伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 10月6日版
日経平均は7月高値の4万2426円が年間の最高値になる公算
1. NYダウは4万2628ドルが戻り高値になる公算か
前回の本コラムでは、本年の NYダウは「10月以降、下値堅く推移して、上昇の流れを継続するパターン、または9月、10月の高値が戻り高値となって、下降を開始するパターンのどちらかになる」、「10月以降に下降を開始するパターンになる場合、10月に高値を更新しても、9月の高値を大きく上回る動きにならずに戻り高値をつける展開になる」と書きました。
NYダウは、9月27日に上ヒゲの長い線をつけて、この日の高値4万2628ドルが強い抵抗になっていることを示しています。
その後、10月3日に9月30日安値の4万1929ドルを割ったことで、上値、下値を切り下げる弱気パターンを形成しています。
10月4日には反発しましたが、4万2628ドルを超える動きになっていません。
9月27日以降の上値重い動きが、9月11日以降の上昇の流れの途中の調整に過ぎないなら、その調整は小幅調整の範囲内の動きになると考えられます。
小幅調整は上値、下値を切り下げる弱気パターンを作らず、3~5営業日程度で調整を終了して、調整前の高値を超える動きになります。
NYダウの9月27日以降の下げは、上値、下値を切り下げる弱気パターンを作っているので、目先の価格が4万2628ドルを超えるなら、その弱さを払拭するため、調整入り後、5営業日目となる10月4日に4万2628ドルを超えている必要がありました。
4日は、比較的上げ幅の大きな動きとなりましたが、4万2628ドルを超えられなかったことで、9月27日以降の動きは一時的な調整ではなく、9月11日以降の上昇の流れが終了した後の下げ場面へ入っているという見方が有力になったと言えます。
4万2628ドルが戻り高値になっているなら、目先は8月30日高値の4万1585ドルから9月11日安値の3万9993ドルまでの下げ幅(1592ドル幅)と同程度の調整(4万1036ドルが目安)を経過するか、9月11日安値の3万9993ドルまで下げるかになると考えられます。
4日にNYダウは反発しているので、週明け後、1営業日だけ4万2628ドルを超えられるか否かを確認し、超えられなければ、前述の通り、目先の価格が少なくとも4万1000ドル前後まで下げる展開を想定しておきます。
なお、7日にNYダウが4万2628ドルを超える動きになるなら、勢いのある上げ場面へ入っている可能性が出てくるので、目先は上昇を継続する可能性を考えておきます。