はてな Research Memo(6):自己資本比率は80%台で推移し、財務内容は良好
■はてな<3930>の業績動向
3. 財務状況と経営指標
2024年7月期末の財務状況は、資産合計は前期末比27百万円増加の2,909百万円となった。流動資産は現金及び預金が22百万円、売掛金及び契約資産が23百万円それぞれ増加した一方で、前払費用が33百万円、有価証券が12百万円減少した。また、固定資産では有形固定資産が10百万円減少した一方で、ソフトウェア等の無形固定資産が43百万円増加した。
負債合計は前期末比42百万円減少の349百万円となった。未払金が29百万円増加した一方で、未払費用が31百万円、契約負債が16百万円、預り金が13百万円、買掛金が10百万円それぞれ減少した。また、純資産は同70百万円増加の2,559百万円となった。当期純利益の計上により利益剰余金が62百万円増加した。
経営指標を見ると、自己資本比率は88.0%と80%を上回る水準を維持し、無借金経営を続けていること、現金及び預金も1,504百万円と月平均売上高の5.5ヶ月分を有するなど資金流動性も十分確保されていることから、財務内容は良好な状態にあると判断される。一方、収益性は、売上高営業利益率、ROA、ROEともに2~3%台と2期連続で低下した。これは同期間を成長に向けた先行投資期間と位置付け、人材投資などを積極的に推進してきたことや、円安影響によるDC利用料の負担増が主因である。ただ、2025年7月期以降は先行投資の効果が顕在化する見込みであり、収益性についても上昇傾向に転じる見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》