アクシスC Research Memo(4):ハイエンド人材を強みにリカーリングビジネスを展開

特集
2024年10月10日 14時04分

■アクシスコンサルティング<9344>の事業概要

3. ビジネスモデルと強み

同社ビジネスモデルの特徴は、継続的に収益が期待できる「リカーリング」にある。転職者はマネージャー以上のハイエンド人材であるため、決定までに3~4年の中長期フォローを必要とする。そして転職先でシニアマネージャーやプロダクトマネージャーに就任すると、こうしたポジションは人材の発注者でもあるため、人材が不足した場合には気心の知れた同社を使うことになり、キャリアパートナーからビジネスパートナーになる。しかもコンサルタントなので、既述のとおり年齢とともに価値が増し、次のビジネスチャンスに出会う確率も高まる。このように同社は転職者と長く継続的な付き合いを行うことで、その間に様々な収益チャンスを得られるのだ。

また、企業との付き合いもリカーリングなビジネスである。同社のビジネスは、ハイエンド人材を採用したことのない企業にとって、コンパスシェアを入口に、フリーコンサルBizから人材紹介へと同社のサービスの利用を広げていくという仕組みだ。このようなコンパスシェア~フリーコンサルBiz~人材紹介という流れも、企業が成長するプロセスにおいて繰り返し利用されることになる。一方、リカーリングというビジネスモデルをより効果的なものにするため、営業が登録者や転職者に年1回リアルで会うほか、定期的にデジタル情報を発信している。特にデジタル情報は、マーケティングオートメーションツールを導入したことで次回の転職可能性をスコアとして知ることができ、スコアが一定の条件を満たすとカスタマサクセスチームが人材に連絡し、実際に次の転職へつなげていくのである。

同社の強みは、豊富な登録人材、アドバイザーの質、中長期フォローの仕組み、複合サービス、副業としての提案などにある。豊富な登録人材については、85,000人を超えるハイエンド人材がコンサルタントとして登録していることに加え、スキルシェアの登録数も3,000人を超えた。これは、業界内でもトップクラスの人材データベースと言える。アドバイザーは、厳しい研鑽を通じて同社が構築したナレッジを共有することでハイエンド人材を知り尽くせるため、中長期視点でのキャリアアドバイスが可能となる。また、ナレッジを共有しているため、担当者が変わっても継続性を維持できる。このほか、既述のとおり、中長期フォローの仕組みや人材紹介とスキルシェアの複合サービスの提案、副業の提案なども同社の強みである。

ビジネスモデルを高度化し強みを引き出すため機動的にアライアンスを行っていることも強みであり、データベースの拡大や一般事業会社の開拓につなげている。例えば、経営層に特化したエグゼクティブ・コーチングを提供するシンクワイア(株)との業務提携では、CxOが転職先で十分な成果を出して定着することを目的に、採用後にオンボーディングでコーチングするほか、シンクワイアの顧客相談に同社のコンパスシェアを提供している。ダイレクトリクルーティング代行の(株)VOLLECTとの業務提携では、ハイエンドに強い同社とジュニアに強いVOLLECTが補完し合うだけでなく、両社の強みを組み合わせることで、DXに必要なチームを一気通貫で早期に組成するためのDX人材採用パッケージサービス「DX Talent Pool」を開発した。100社以上のスタートアップが属するイノベーションセンターを運営する東京理科大学との連携では、コンパスシェアを提供しているが、スタートアップでの経験を積みたいコンサルタントを集めることも目的となっている。こうしたイノベーションセンターを運営する自治体や大学がほかにもあるため、同社はコンパスシェアによる輪を広げていく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.