【投資部門別売買動向】自己売買が1.2兆円売り越す一方、海外勢や個人、信託銀は買い越す (10月第1週)

市況
2024年10月10日 20時00分

●証券会社の自己売買が1.2兆円売り越す一方、海外勢や個人、信託銀は買い越す

東証が10日に発表した10月第1週(9月30日~10月4日)の投資部門別売買動向(現物)によると、石破新政権への警戒感や中東情勢の緊迫化で売りが膨らみ、日経平均株価が前週末比1193円安の3万8635円と4週ぶりに大幅反落したこの週は、証券会社の自己売買は4週ぶりに売り越した。売越額は1兆2424億円だった。前週は5141億円の買い越しだった。

一方、海外投資家が7週ぶりに買い越し、買越額は3955億円だった。前週は567億円の売り越し。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で3週連続の売り越しとなった。売越額は6053億円と前週の8906億円から縮小した。現物と先物の合算でも7週連続で売り越し、売越額は2098億円だった。個人投資家は3週ぶりに買い越し、買越額は1777億円だった。前週は5869億円の売り越しだった。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行が2週連続で買い越し、買越額は2090億円と前週の1332億円から拡大した。自社株買いが中心とみられる事業法人は14週連続で買い越し、買越額は1856億円だった。

日経平均が4週ぶりに大幅反落する中、証券会社の自己売買が1兆2424億円を売り越す一方、海外投資家や個人投資家、信託銀行は買い越した。

■投資部門別売買代金差額 (9月30日~10月4日)

東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]

※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

  海外投資家 信託銀行 個人合計 [  現金  信用 ] 日経平均 ( 前週比 )

10月 ―――

第1週     3,955   2,090   1,777 [  ▲767  2,544 ] 38,635円 ( -1193 円)

9月 ―――

第4週     ▲567   1,332  ▲5,869 [ ▲3,818 ▲2,051 ] 39,829円 ( +2105 円)

第3週    ▲5,122  ▲2,963  ▲3,567 [ ▲2,628  ▲939 ] 37,723円 ( +1142 円)

第2週   ▲15,425   ▲559   2,193 [  1,340   853 ] 36,581円 ( +190 円)

第1週    ▲8,235   1,500   4,672 [  1,973  2,698 ] 36,391円 ( -2256 円)

8月 ―――

第4週    ▲2,451   2,074  ▲1,106 [ ▲1,839   732 ] 38,647円 ( +283 円)

第3週    ▲3,988   1,347   ▲366 [ ▲1,855  1,488 ] 38,364円 ( +301 円)

第2週     1,872    291  ▲4,041 [ ▲3,112  ▲928 ] 38,062円 ( +3037 円)

第1週     4,953   2,171   ▲553 [  3,027 ▲3,581 ] 35,025円 ( -884 円)

7月 ―――

第5週    ▲5,524    239   4,817 [  3,143  1,673 ] 35,909円 ( -1757 円)

第4週    ▲5,659    256   5,050 [  2,753  2,297 ] 37,667円 ( -2396 円)

第3週    ▲2,459   ▲257   2,512 [   ▲6  2,518 ] 40,063円 ( -1126 円)

第2週     1,288   ▲733   ▲773 [ ▲2,763  1,989 ] 41,190円 ( +278 円)

第1週     1,836    518  ▲4,966 [ ▲5,110   143 ] 40,912円 ( +1329 円)

6月 ―――

第4週     1,239    15  ▲4,885 [ ▲3,839 ▲1,046 ] 39,583円 ( +986 円)

第3週     ▲213  ▲1,914   1,899 [   358  1,541 ] 38,596円 ( -218 円)

第2週    ▲2,494   1,562    853 [  ▲231  1,085 ] 38,814円 ( +130 円)

第1週    ▲1,986  ▲1,304   2,861 [   354  2,507 ] 38,683円 ( +196 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。

※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。

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