11日の株式相場見通し=続伸か、CPI上振れも底堅い米株市場を横目に強含み
11日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は前日終値近辺でもみ合う展開が想定される。ただ、上値は重いものの根強い買いが流入し強含みで推移しそうだ。前日は欧州株市場がドイツやフランス、英国など主要国の株価が総じて軟調となったが、これは同日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る強い内容であったことが警戒されたもの。また、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともにマイナス圏で引け、ダウとともに最高値を更新基調にあったS&P500指数も利益確定売りに押された。ただ、3指数ともに下げは小幅にとどまっている。米国時間でこの日の朝方に開示された9月の米CPIは、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比で0.3%、前年同月比では3.3%の上昇となり、いずれも事前のコンセンサスから上振れした。一方、同時刻に発表された週間の米新規失業保険申請件数は25万8000件で市場の見通しを上回った。物価上昇圧力が意識されるなかで雇用環境は弱いという状況が明らかとなった。FRB高官のタカ派的な発言もあり、利下げ期待が後退し全体相場の重荷となったが、米経済のソフトランディングへの期待が押し目買いを誘導し、下値に対しても抵抗力を発揮している。東京市場では、米CPIが想定を上回ったものの米株市場が比較的落ち着いた値動きとなったことで、リスク回避の地合いとはなりにくい。日経平均株価はここ適度に押し目を入れながらもジリ高基調を維持しており、きょうもその流れが維持される可能性は高い。ただ、外国為替市場ではドル安・円高含みで推移しており、一段と円が買われる展開となった場合は全体相場も軟化する公算が大きい。
10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比57ドル88セント安の4万2454ドル12セントと3日ぶり小反落。ナスダック総合株価指数は同9.568ポイント安の1万8282・049だった。
日程面では、きょうは株価指数オプション10月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。また、9月のマネーストック、3カ月国庫短期証券の入札、9月の投信概況など。海外では韓国金融通貨委員会、9月の米卸売物価指数(PPI)、10月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。なお、香港市場は休場。