株価指数先物 【週間展望】 ―米金融決算に注目

市況
2024年10月14日 17時00分

今週の日経225先物は、米国の主力企業の決算を睨んでの相場展開になりそうである。11日の米国市場では、JPモルガン・チェース<JPM>が発表した7-9月期決算は売上高に相当する純営業収益と一株利益が予想を上回り、4.4%超の上昇となった。ウェルズ・ファーゴ<WFC>も予想を上回る決算が評価されており、今週決算発表を控えるゴールドマン・サックス・グループ<GS>など金融株全般に買いが波及した。

また、9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、市場予想(0.1%増程度)を下回ったほか、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比0.2%上昇と予想に一致した。前日の米消費者物価指数(CPI)では金利据え置きの可能性も意識されていたが、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げをするとの見方を支えた形となった。

今週の米国ではゴールドマンのほか、シティグループ<C>やモルガン・スタンレー<MS>、USバンコープ<USB>、アメリカン・エキスプレス<AXP>など金融株の決算発表が予定されており、予想を上回る決算が相次ぐようだと、先高期待が高まろう。また、17日に予定されるネットフリックス<NFLX>の決算が好内容の場合、大型テック株への波及効果も期待できそうである。

ヒズボラによるイスラエル北部での無人機攻撃、レバノン国連軍施設へのイスラエル軍戦車の侵入が伝えられるなど、緊迫化する中東情勢は重荷であり、大型ハリケーン上陸による経済や大統領選への影響なども不透明要因となるが、投資家の関心は企業業績に移ることになるだろう。

先週の日経225先物は週末には好決算が評価されたファーストリテイリング <9983> [東証P]のインパクトが大きかったとはいえ、下値切り上げのトレンドを継続。11日の取引終了後のナイトセッションでは一時3万9940円まで買われており、9月27日の自民党総裁選の高市トレードで付けた高値3万9900円を上回ってきた。14日の祝日取引では上げ幅を縮めているものの、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9170円)と+2σ(4万0540円)によるレンジ内で推移。ナイトセッションの動きからは3万9500円~4万円のレンジが意識されやすいとみられる。

9月27日の直近高値を更新したことで、いったんは達成感が意識されて利益確定に伴うロング解消が入りやすいところではある。ただし、3万9500円処では押し目狙いのロング対応としつつ、+2σ辺りへのトレンドを想定しておきたい。一方で、米決算が失望されたり、中東情勢の緊張が高まる局面では、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。

また、国内ではディスコ <6146> [東証P]の決算が17日に予定されている。足もとでは7-9月期の個別出荷額が予想を下回ったことが嫌気されたが、アク抜けとなれば他の半導体株への支援材料になろう。米国でエヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>などがリバウンド基調を継続するなか、ハイテク株を見直す動きが強まるようだと、日経平均型の上昇が意識されやすい。

なお、11日の米VIX指数は20.46(前日は20.93)に低下した。先週は8日に23.14まで上昇する場面がみられ、その後は緩やかに低下する動きとなった。ただし、地政学リスクと大型ハリケーン上陸による経済への影響が警戒されるなか、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回って推移している。20.00を下回ってきたとしても、25日移動平均線が位置する18.20処が支持線として機能する可能性もあり、慎重姿勢は崩せないところである。

先週のNT倍率は先物中心限月で14.62倍に上昇した。11日朝方に14.47倍に低下する場面もみられたが、ファーストリテイリングのほか、アドバンテスト <6857> [東証P]が日経平均型を牽引する形となった半面、TOPIXが終盤にかけて弱含みで推移したことでスプレッドが拡大した。9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上放れてきたことで、反動安を想定しつつも8月5日に付けた14.69倍が意識されやすく、目先的にはNTロングでのスプレッド狙いに向かいやすい。

10月第1週(9月30日-10月4日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では7週連続の売り越しであり、売り越し額は2080億円(9月第4週は9495億円の売り越し)だった。なお、現物は3955億円の買い越し(同567億円の売り越し)と7週ぶりの買い越しであり、先物は6036億円の売り越し(同8928億円の売り越し)と3週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で1089億円の買い越しで3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1233億円の売り越しとなり、3週ぶりの売り越しだった。

主要スケジュールでは、14日に中国9月貿易収支、15日に衆議院議員選挙公示、米国10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日に8月機械受注、米国9月輸出入物価指数、17日に9月貿易統計、ECB政策金利、米国9月小売売上高、ラガルドECB総裁記者会見、米国9月鉱工業生産指数、18日に9月全国消費者物価指数、中国7-9月期GDP、中国9月鉱工業生産指数、中国9月小売売上高、中国1-9月固定資産投資、米国9月住宅着工件数などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値

10月限 日経225 32360.91  TOPIX  2326.75

11月限 日経225 32454.88  TOPIX  2318.99

12月限 日経225 32639.57  TOPIX  2343.77

01月限 日経225 36025.97  TOPIX  2513.46

02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93

03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15

04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89

05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75

06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56

07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54

08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68

09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41

日経225先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

24/12 10月11日  39270  39690  38900  39610  +300

24/12 10月10日  39170  39700  39150  39310  +20

24/12 10月09日  38870  39520  38830  39290  +330

24/12 10月08日  39290  39310  38710  38960  -410

24/12 10月07日  38570  39800  38570  39370  +810

TOPIX先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

24/12 10月11日  2709.0  2727.5  2687.0  2708.0  -1.0

24/12 10月10日  2700.5  2733.5  2699.5  2709.0  +1.0

24/12 10月09日  2696.0  2732.0  2693.5  2708.0  +4.5

24/12 10月08日  2735.5  2736.5  2688.5  2703.5  -36.0

24/12 10月07日  2690.5  2769.0  2690.5  2739.5  +49.0

シカゴ日経平均 円建て

清算値  前日大阪比

10月11日(12月限) 39855  +245

10月10日(12月限) 39370  +60

10月09日(12月限) 39665  +375

10月08日(12月限) 39375  +415

10月07日(12月限) 38915  -455

※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)

  売り   前週末比   買い    前週末比

10月04日    1323億円  -263億円 1兆8546億円  -1335億円

09月27日    1587億円  +13億円 1兆9881億円  +1715億円

09月20日    1573億円  -116億円 1兆8166億円  +3909億円

09月13日    1690億円 -2543億円 1兆4256億円  +3072億円

09月06日    4233億円  -706億円 1兆1184億円  -4548億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)

売り      前日比  買い       前日比

10月09日    4959万株      0株  8億5893万株   +726万株

10月08日    4959万株      0株  8億5166万株   -931万株

10月07日    4959万株   +1117万株  8億6097万株   +4086万株

10月04日    3841万株   -484万株  8億2011万株   +141万株

10月03日    4325万株   -195万株  8億1870万株   +835万株

10月02日    4521万株    +11万株  8億1034万株   -384万株

10月01日    4510万株    -43万株  8億1419万株   +1250万株

09月30日    4553万株   +136万株  8億0168万株   -3972万株

09月27日    4416万株   +179万株  8億4140万株   +1億1810万株

09月26日    4236万株    -78万株  7億2330万株   +9635万株

09月25日    4315万株   +559万株  6億2695万株   -5558万株

09月24日    3756万株   -187万株  6億8253万株   -1057万株

09月20日    3943万株   +435万株  6億9310万株   +1910万株

09月19日    3508万株   +344万株  6億7400万株   +1187万株

09月18日    3164万株    -25万株  6億6212万株   +4143万株

09月17日    3189万株   -2161万株  6億2069万株   -6026万株

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