28日の米国市場ダイジェスト:NYダウは273ドル高、主要企業決算に期待
■NY株式:NYダウは273ドル高、主要企業決算に期待
米国株式市場は上昇。ダウ平均は273.17ドル高の42,387.57ドル、ナスダックは48.58ポイント高の18,567.19で取引を終了した。
イスラエルによる対イラン報復攻撃が限定的にとどまり中東情勢の緊迫化懸念の緩和で、寄り付き後、上昇。今週予定されているハイテクなど主要企業の好決算を期待した買いに続伸した。ナスダックは終盤にかけ長期金利の上昇を嫌気し、失速したが、相場は終日堅調に推移し、終了。セクター別では、銀行や各種金融が上昇した一方で、自動車・自動車部品が下落した。
携帯端末のアップル(AAPL)は生成人工知能(AI)機能「アップル・インテリジェンス」の一部が「アイフォーン」や「アイパッド」「マック」で使用が可能になったほか、自社製「M4」プロセッサー搭載のデスクトップPC「アイマック」も発表し、上昇。ソーシャルメディア、フェイスブック(FB)を運営するメタ・プラットフォームズ(META)はAI検索エンジンを開発中との報道が好感され、上昇。ファーストフード・チェーン運営のマクドナルド(MCD)は牛肉の安全が確認されたため集団感染のため複数の州で中止していた「クォーターパウンダー」の販売を再開すると発表し、上昇。
工業、消費者・オフィス製品を扱う3M(MMM)はアナリストの投資判断引き上げで上昇した。また、金融サービスプラットフォームを提供するロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は大統領選挙を巡るデリバティブ取引開始で業績拡大期待に買われた。航空会社のユナイテッド(UAL)やデルタ(DAL)、クルーズ船を運営するカーニバル(CCL)は原油価格の下落でコスト減、利益率の向上につながるとの期待にそれぞれ上昇。航空機メーカーのボーイング(BA)は投資不適格級への格下げを回避するため普通株や預託株の発行により資金を調達する計画を発表し、下落した。
自動車メーカーのフォード(F)は取引終了後に四半期決算を発表。見通し引き下げが嫌気され、時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドルは底堅い動き、強い米経済指標や米金利上昇を意識
28日のニューヨーク外為市場でドル・円は152円41銭へ下落後、153円37銭まで上昇し、153円25銭で引けた。原油安などを受け金利の低下に伴いドル売りが優勢となった。その後、米10月ダラス連銀製造業活動指数が予想外に改善したほか、低調な米2年債や5年債入札結果を受け、債券利回りが上昇に転じ、ドル買いが強まった。衆院選の結果を受け、日銀の12月追加利上げ観測後退で円売りも強まった。
ユーロ・ドルは1.0828ドルへ上昇後、1.0810ドルまで下落し、1.0816ドルで引けた。ユーロ・円は、164円98銭から165円83銭まで上昇。中東地政学的リスクに連れた円買いが後退した。ポンド・ドルは1.3001ドルへ上昇後、1.2968ドルまで反落した。ドル・スイスは0.8664フランから0.8647フランまで下落した。
■NY原油:大幅安で67.38ドル、供給不安緩和で一時67ドルを下回る
NY原油先物12月限は大幅安(NYMEX原油12月限終値:67.38 ↓4.40)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比-4.40ドル(-6.13%)の67.38ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは66.92ドル-69.00ドル。アジア市場の序盤で69.00ドルまで戻したが、米国市場の前半にかけて66.92ドルまで下落。10月1日以来の安値をつけた。イスラエルはイランの石油関連施設を攻撃していないため、供給不安は和らいだことが要因。通常取引終了後の時間外取引では主に67ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 42.62ドル +0.73ドル(+1.74%)
モルガン・スタンレー(MS) 119.13ドル +2.25ドル(+1.92%)
ゴールドマン・サックス(GS)523.58ドル +10.98ドル(+2.14%)
インテル(INTC) 22.92ドル +0.24ドル(+1.05%)
アップル(AAPL) 233.40ドル +1.99ドル(+0.85%)
アルファベット(GOOG) 168.34ドル +1.35ドル(+0.80%)
メタ(META) 578.16ドル +4.91ドル(+0.85%)
キャタピラー(CAT) 390.61ドル +4.64ドル(+1.20%)
アルコア(AA) 41.41ドル +0.31ドル(+0.75%)
ウォルマート(WMT) 82.75ドル +0.24ドル(+0.29%)
《ST》