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ファイザーが決算 「パクスロビッド」の売上急増が寄与 株価は軟調=米国株個別

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2024年10月29日 22時53分

(NY時間09:49)(日本時間22:49)

ファイザー<PFE> 28.74(-0.12 -0.42%)

ファイザー<PFE>が取引開始前に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。通期の見通しも、1株利益、売上高とも上方修正している。コロナ薬「パクスロビッド」の売上急増が寄与した。パクスロビッドの売上は夏のコロナ感染により、予想を遥かに上回る27億ドルに急増した。同社は今回の好調な決算について、新型ワクチンが昨年よりも早い2024年に承認されたタイミングによるものだと述べている。

同社はパンデミック以来、ワクチンの売れ行きに代わる新たなヒット商品を生み出すべく買収を積極的に進めている。ブルラCEOの下、昨年430億ドルを投じたがん専門薬シーゲン社の買収を含め、700億ドル規模の一連の買収に乗り出した。

また、5月には2027年末までに15億ドルのコスト削減を目指す新計画を発表。これは今年末までに40億ドルの経費削減を意味し、以前公表された計画に上乗せされたものなっている。

今回の決算はアクティビスト(物言う株主)のスターボードとの対立が公になって以降、初の報告となった。スターボードは先週のアクティビスト投資家会議で、買収への過剰支出や研究開発の低収益性など、同社が犯していると思われる一連の失策を厳しく批判。その結果、同社は少なくとも200億ドルの価値破壊を招いたとし、ブルラCEOの交代は「理に適っている」と述べていた。

ただ、株価は軟調に推移している。

(7-9月・第3四半期)

・1株利益(調整後):1.06ドル(予想:0.64ドル)

・売上高:177.0億ドル(予想:150.8億ドル)

コミルナティ:14.2億ドル(予想:12.4億ドル)

プレベナー:18.0億ドル(予想:17.7億ドル)

イブランス:10.9億ドル(予想:11.2億ドル)

エリキュース:16.2億ドル(予想:15.9億ドル)

ヴィンダケルファミリー:14.5億ドル(予想:13.6億ドル)

エンブレル:1.69億ドル(予想:1.73億ドル)

ゼルヤンツ:3.21億ドル(予想:3.54億ドル)

インライタ:2.47億ドル(予想:2.44億ドル)

・研究開発費(調整後):25.6億ドル(予想:30.6億ドル)

・SI&A費(調整後):32.2億ドル(予想:34.2億ドル)

(通期見通し)

・1株利益(調整後):2.75~2.95ドル(従来:2.45~2.65ドル)

・売上高:610~640億ドル(従来:595~625億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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