29日の米国市場ダイジェスト:NYダウは154ドル安、雇用減速を警戒
■NY株式:NYダウは154ドル安、雇用減速を警戒
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は154.52ドル安の42,233.05ドル、ナスダックは145.56ポイント高の18,712.75で取引を終了した。
JOLT求人件数が予想以上に減少し、労働市場の冷え込みや景気減速を警戒した売りに寄り付き後、下落。ダウは長期金利の上昇を嫌気し続落。その後、消費者信頼感の改善を好感、また、財務省が実施した7年債入札の結果が好調で金利が伸び悩んだため下げ止まった。ナスダックは利下げや主要ハイテク企業決算への期待を受けた買いが押し上げ終日堅調に推移し、終盤にかけ上げ幅を拡大し過去最高値を更新。相場はまちまちで終了した。セクター別では、メディア・娯楽、半導体・同製造装置が上昇した一方で、耐久消費財・アパレルが下落。
「ノースフェイス」や「VANS」などのブランドを運営するアパレル会社のVF(VF)は第2四半期決算で調整後の1株あたり利益が予想を上回り大幅高。半導体・インフラソフトウェアソリューションメーカーのブロードコム(AVGO)は人工知能(AI)の開発を行うオープンAIが同社や台湾積体電路製造(TSMC)と協力し、初の自社製チップの開発に取り組んでいると報じられ、上昇。ソフトウエア開発会社のアルテアエンジニアリング(ALTR)はドイツの製造会社シーメンスが同社買収を検討しているとの報道で、大幅高。
クレジットカードのビザ(V)は1400人の従業員、契約社員の削減計画を発表し、下落。住宅建設のDRホートン(DHI)は四半期決算の内容が予想を下回ったほか、金利や価格が依然高止まりしていることを背景に買い手が躊躇していると悲観的な見通しを示し、下落。格安航空会社のジェット・ブルー(JBLU)は第4四半期の業績見通しが冴えず、売られた。工具メーカーのスタンレー・ブラック&デッカー(SWK)は四半期決算で売上減が嫌気され、下落。
検索グーグルを運営するアルファベット(GOOG)は取引終了後に四半期決算を発表。1株当たり利益が予想を上回り、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米JOLT求人件数が減少、労働市場減速懸念にドル買い後退
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は153円87銭まで上昇後、153円03銭まで反落したが下げ止まり、153円43銭へ戻して引けた。米長期金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。9月JOLT求人件数が予想を下回り、労働市場減速が示唆されると、利下げ観測にドル買いが後退。ただ、10月消費者信頼感指数が予想以上に上昇したため景気も底堅いとの見方にドル売りも限定的となった。
ユーロ・ドルは1.0769ドルまで下落後、1.0816ドルまで上昇し、1.0815ドルで引けた。ユーロ・円は、166円01銭へ上昇後、165円40銭まで反落。ポンド・ドルは1.2967ドルまで下落後、1.3012ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8698フランへ上昇後、0.8670フランまで下落した。
■NY原油:小幅安で67.21ドル、一時66.72ドルまで弱含み
NY原油先物12月限は小幅安(NYMEX原油12月限終値:67.21 ↓0.17)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比-0.17ドル(-0.25%)の67.21ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは66.72ドル-68.52ドル。ロンドン市場で68.52ドルまで戻したが、米国市場の中盤にかけて66.72ドルまで反落。中東情勢のすみやかな改善は期待できないものの、原油供給を巡る過度な不安は後退している。通常取引終了後の時間外取引では主に67ドル台前半 で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 42.53ドル -0.09ドル(-0.21%)
モルガン・スタンレー(MS) 119.30ドル +0.17ドル(+0.14%)
ゴールドマン・サックス(GS)524.28ドル +0.70ドル(+0.13%)
インテル(INTC) 22.90ドル -0.02ドル(-0.08%)
アップル(AAPL) 233.67ドル +0.27ドル(+0.11%)
アルファベット(GOOG) 171.14ドル +2.80ドル(+1.66%)
メタ(META) 593.28ドル +15.12ドル(+2.61%)
キャタピラー(CAT) 387.51ドル -3.10ドル(-0.79%)
アルコア(AA) 40.96ドル -0.45ドル(-1.08%)
ウォルマート(WMT) 81.70ドル -1.05ドル(-1.26%)
《ST》