来週の株式相場に向けて=米大統領選の本番迎え「不透明感」は一巡するか
1日の日経平均株価は前日比1027円安と大幅続落。後場に入り下げ幅が拡大し、一時3万8000円台を割り込んだ。東京市場は明日から3連休となることもあり、来週のビッグイベントを控えポジション調整の売りも膨らんだ様子だ。今晩は米10月雇用統計が発表されるほか、ついに5日に米大統領選を迎える。また、6~7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
なかでも市場の関心を集めるのが、米大統領選だ。今後の世界情勢の流れを決定づけることになるだけに、6日の東京市場は米大統領選の開票結果を横目に一喜一憂することになる。民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏の決選となるが、足もとではトランプ氏が優勢との見方が多い。そんななか、まず市場が気にしているのは「早い段階で結果が判明するのか」(市場関係者)だ。もし、混戦となり勝敗が分かるまでに時間がかかれば「市場は不透明感を嫌気するかもしれない」(同)という。
また、同時に実施される議会選挙がどうなるかも焦点だ。大統領に加え、連邦議会上下両院も共和党がとる「トリプルレッド」となった場合、トランプ氏の唱える減税や規制緩和が一気に進みインフレ的な政策が予想されるなか、銀行株やエネルギー株などに買いが入る展開も見込まれている。ただ、「トランプ氏の財政拡張策に対して債券市場がどう反応するのかが大きなポイント」(アナリスト)だ。米長期金利が上昇基調を強めることになれば、株高に水が差されることも起こり得る。
ハリス氏が勝利した場合、足もとのトランプトレードの巻き戻しも考えられる。ただ、ハリス氏も財政拡張策を打ち出しており、やはり債券市場の動向が注目されている。いずれにせよ、来週は米大統領選の行方を固唾を飲んで見守ることになる。
更にFOMCでは0.25%の利下げが予想されている。12月も同様に0.25%の利下げを見込む声が多いが、今後の米金融政策を巡りパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見などが注目されそうだ。
上記以外のイベントでは、米国では5日に米10月ISM非製造業景況感指数、8日に米11月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。6日にアーム・ホールディングス<ARM>とクアルコム<QCOM>が決算発表を行う。
国内では、4日は文化の日の振替休日で休場。5日からは東証の取引時間が午後3時30分まで30分間延長される。6日には9月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表される。5日に任天堂<7974>、三菱重工業<7011>、6日にトヨタ自動車<7203>、伊藤忠商事<8001>、7日に日本製鉄<5401>、フジクラ<5803>、8日にソニーグループ<6758>、三井不動産<8801>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7000~3万9500円前後。(岡里英幸)