インテルが決算受け上昇 第4四半期の見通しが楽観的見方に繋がる=米国株個別
(NY時間09:45)(日本時間22:45)
インテル<INTC> 22.82(+1.30 +6.04%)
インテル<INTC>が上昇。前日引け後に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、1株損益の赤字は予想以上となったものの、売上高は予想を上回った。また、第4四半期のガイダンスも公表し、予想を上回る売上高の見通しを示したほか、1株損益も黒字回復を見込み、予想も上回った。これを受けて市場には、失った市場シェアを一部回復できるのではないかとの楽観的見方が広がっている。
かつて半導体業界のリーダーだった同社は現在、事業てこ入れ計画に向けての資金確保で、手元流動性の確保に取り組んでいる。事業てこ入れ計画についてゲルシンガーCEOは、「史上最も大胆な再建プランだ」と述べた。
第3四半期に人員削減を発表し、支出の削減も実施した。そのほか株主への配当支払いも停止している。ゲルシンガーCEOは今後、顧客からの新規受注獲得で資金流出を埋め合わせできることを示す必要がある。
同社の凋落ぶりは、AIハードウエアを選好する半導体業界の大きな変化を浮き彫りにしている。企業はAIアクセラレーターチップを搭載したコンピューターに優先的に投資しているが、この分野に同社の製品はほとんど進出していない。顧客はエヌビディア<NVDA>に流れている。第3四半期の粗利益率(調整後)は18%だったが、かつては60%を大きく上回っていた。
アナリストはこの四半期に好意的な見方を示したが、事前の業績への期待が低かった点も指摘している。「第3四半期決算は事前に下がっていた予想に対してまずまずの結果となった。粗利益率が予想を大きく下回っているが、一時的な費用が圧迫しためだ」と述べている。
また、別のアナリストは「トレンドはそこそこ良好だが、AIへの戦略が決定的に欠けており、事業としてのファウンドリーは成功までにまだ何年もかかるだろう」と指摘した。
(7-9月・第3四半期)
・1株損益(調整後):-0.46ドル(予想:-0.03ドル)
・売上高:132.8億ドル 6.2%減(予想:130.2億ドル)
・インテル製品:121.9億ドル(予想:119.5億ドル)
・クライアント・コンピューティング:73.3億ドル(予想:74.6億ドル)
・データセンターおよびAI:33.5億ドル(予想:31.5億ドル)
・ネットワーク&エッジ:15.1億ドル(予想:13.9億ドル)
・ファウンドリー:43.5億ドル(予想:44.4億ドル)
・その他:10.4億ドル(予想:10.7億ドル)
・アルテラ社:4.12億ドル(予想:3.97億ドル)
・モービルアイ社:4.85億ドル(予想:4.85億ドル)
・その他:1.42億ドル(予想:1.73億ドル)
・粗利益率(調整後):18%(予想:38%)
・研究開発費:40.5億ドル(予想:42.8億ドル)
・営業損益(調整後):-23.7億ドル
・営業利益率(調整後):17.8%減
(10-12月・第4四半期見通し)
・売上高:133億~143億ドル(予想:136.3億ドル)
・1株利益(調整後):0.12ドル(予想:0.06ドル)
・粗利益率(調整後):39.5%(予想:38.7%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース