伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 11月4日版
日経平均は休み明け後の値位置で今後の方向が見えてくる
1. 日経平均の11月の月足が陰線引けする場合の展開
前回の本コラムで、 日経平均株価の11月の値動きのパターンを紹介しました。
11月の月足が陰線引けした年は、1990年から2023年の34年間で11回あります。
11回の月足が陰線引けした年の中で、11月の1営業日目に11月の最高値をつけた年が7回あり、ほとんどが月初から下げるパターンとなっています。
月初から下げている7回のうち、11月の第1営業日が陰線引けしてる年が5回、陽線引けしている年が2回あります。
陽線引けした年は、2003年と2007年の2回です。これらの年は、10月末の下降途中の反発が11月の第1営業日に戻り高値をつけて、11月が月初から下げる動きとなっています(本年はこちらのパターンにあてはまりません)。
11月の第1営業日以降に11月の最高値をつけて、下降を開始した年は、2006年、2008年、2009年、2021年の4回あります。
これらの年の中で、11月の第1営業日が陰線だった年は、2009年の一度だけです。
2006年、2008年、2021年は、月初からもみ合いの動きとなるか、価格が若干だけ上昇して下降を開始する動きとなっています。
2009年は、いったん下値を試す動きを経過した後、すぐに反発して月初の高値を超える動きとなってから、下降を開始しています。
本年11月1日は、寄り付き後、すぐに下げて値幅の大きな陰線をつける展開となっています。
過去の値動きを考慮すると、本年11月の月足が陰線引けする場合、11月1日の高値3万8512円が11月の最高値となって下降を開始するパターンと、2009年のように一段安となった後、いったん反発を経過してから、下降を開始するパターンの2通りが考えられます。
図1は、日経平均株価の日足と、11月の月足が陰線引けする場合の展開です。
図1 日経平均株価(日足)と弱気の場合の想定できる展開