電力株が下落 タレンの計画を米規制当局が却下=米国株個別

材料
2024年11月5日 0時26分

(NY時間10:23)(日本時間00:23)

タレン・エナジー<TLN> 167.38(-6.50 -3.74%)

コンステレーション・エナジー<CEG> 228.25(-29.85 -11.57%)

ビストラ<VST> 114.49(-5.02 -4.20%)

タレン・エナジー<TLN>やコンステレーション・エナジー<CEG>、ビストラ・コープ<VST>といった電力株が下落。タレンのデータセンターへの電力供給計画が米エネルギー規制当局によって却下されたことが嫌気されている。

米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は金曜日の遅くに、ペンシルバニア州にあるタレンのサスケハナ原子力発電所に隣接するアマゾン<AMZN>のデータ施設に供給する電力量を増やすという提案に対し、2対1で反対票を投じた。

FERCは、この計画が米連邦規則に基づき特別契約が許可されるべき理由を十分に示していないと裁定。この計画は前例となるものであり、問題はより詳細に検討されるべきであるとしている。

タレンは声明で「FERCの判断は間違っていると考えており、商業的解決策を中心に選択肢を検討している。サスケハナ計画は消費者にとって最善の利益である」と述べた。

FERCの決定は、ペンシルバニア、オハイオ、ニュージャージーなどの州の経済発展に冷ややかな影響を与えるだろう。アナリストも「今回のFERCの決定は原子力データセンターの展開にとって大きな後退だ」と述べている。

アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)は3月に、サスケハナに隣接する960メガワットのデータセンター・キャンパスのために6億5000万ドルをタレンに支払い、同発電所から電力を購入する長期契約を結んでいる。

6月には米東部の送電網を運営するPJMインターコネクション社が、サスケハナ原発の敷地内で使用する電力を300メワット(MW)から480MWに増やす承認をFERCに求めた。それに対して、電力会社のアメリカン・エレクトリック・パワー<AEP>とエクセロン<EXC>は、送電網の信頼性を脅かし、顧客料金を引き上げる可能性があるとして反対している。

【企業概要】

*タレン・エナジー

米国で、電力インフラを所有・運営し、卸売電力市場向けに電力・容量および補助サービスを生産・販売する。発電設備は主に中部大西洋岸とモンタナ州にあり、発電の大部分をゼロカーボンの原子力発電所および低炭素のガス火力発電所で生産することで、脱炭素化の取り組みを推進する。

*コンステレーション・エナジー

米国本土の企業・家庭・地域社会・公共部門の顧客向けに、カーボンフリーエネルギー製品とサービスを提供する。原子力・水力・風力・太陽光発電施設からなる発電設備を有し、気候危機に対する長期的な解決策を模索する顧客を支援する。カナダと英国でも事業を行う。

*ビストラ

主に米国内で電力事業を展開する。発電、電力の卸売、燃料輸送・管理、燃料資産最適化、リスク管理などを行い、一般家庭への電力や関連製品の小売販売、発電プロジェクト事業を含む統合的な電力ソリューションを提供する。天然ガス・原子力・石炭・太陽光・バッテリーエネルギー貯蔵施設などの発電設備を運営。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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