話題株ピックアップ【夕刊】(3):稲畑産、ディーエヌエ、三菱UFJ

注目
2024年11月7日 15時51分

■愛知製鋼 <5482>  4,790円  +230 円 (+5.0%)  本日終値

愛知製鋼<5482>が大幅高で3日続伸、10月末につけた年初来高値4570円を大きく上回り新値街道に再突入した。時価は2018年5月以来約6年半ぶりの高値圏に急浮上している。トヨタ系の自動車向け特殊鋼大手で加工技術の高さに定評がある。業績は原料コストの高騰で24年4~9月期は営業利益が前年同期比30%減の32億9800万円と低調。対通期進捗率も33%にとどまるなど低迷を強いられているが、マーケットの視線を集めているのが0.3倍台の超低PBRだ。旧村上ファンド系のアクティビストであるシティインデックスイレブンスが共同保有の形で同社株式の買い増しを続けており、トヨタグループにありながら解散価値を極端に下回っていることから、今後の株式価値向上への思惑が株高を後押ししている。

■稲畑産業 <8098>  3,445円  +160 円 (+4.9%)  本日終値

稲畑産業<8098>が後場一段高となった。同社は7日午後2時、25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。経常利益予想を25億円増額して前期比12.2%増の240億円、最終利益予想を30億円増額して前期比微減の200億円に修正した。経常利益は3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなり、好感されたようだ。今期の売上高予想は据え置いた。4~9月期の売上高は前年同期比12.4%増の4216億1100万円、経常利益は同31.2%増の139億7900万円、最終利益は同7.7%減の115億7800万円となった。情報電子事業と合成樹脂事業が好調に推移し、利益率が向上した。投資有価証券の売却を前倒しで進めた影響もあって、9月中間期業績において利益が計画を上回り、通期の業績予想を見直した。

■ディー・エヌ・エー <2432>  2,058円  +95 円 (+4.8%)  本日終値

ディー・エヌ・エー<2432>が大幅高で3連騰。2000円台に乗せて年初来高値を連日で更新した。6日の取引終了後に発表した25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比6.5%減の702億6200万円、営業利益が同14.4%増の54億9300万円、最終利益が同59.5%減の29億9900万円となった。7~9月期の営業利益は同17%増となるなど、収益性の高まりが意識された。更に、同社が開発に携わったスマートフォン向け「ポケモン」の新作トレーディングカードゲームが順調な立ち上がりとなっていることもあって、業績回復を見込んだ買いが入ったようだ。上期のゲーム事業は減収となったが、中国拠点の大幅な縮小により費用が減少し、セグメント利益は大幅な増益となった。スポーツ事業も堅調に推移した。

■シスメックス <6869>  2,985.5円  +136.5 円 (+4.8%)  本日終値

シスメックス<6869>が大幅高に買われ、約1カ月ぶりに年初来高値を更新。6日の取引終了後に連結決算(国際会計基準)を発表。25年3月期上期(4~9月)の営業利益が前年同期比31.6%増の445億200万円となり、従来計画の370億円を上回って着地。上期はヘマトロジー(血球計数検査)分野で機器や試薬の売り上げが大幅に増加したことに加え、血液凝固や免疫分野も伸びた。また、為替レートが想定より円安に推移したこともプラスに働いた。好調な業績を踏まえ、通期の同利益予想を従来の870億円から900億円(前期比14.8%増)に上方修正している。

■西日本FH <7189>  1,867円  +84 円 (+4.7%)  本日終値

西日本フィナンシャルホールディングス<7189>が3日続伸。6日の取引終了後、取得総数200万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.42%)、取得総額20億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。加えて、期末配当予想を5円増額し35円に修正しており、株主還元姿勢を好感した買いが入ったようだ。自社株の取得期間は7日から12月末日まで。年間配当予想は65円(前期比10円増配)となる。同時に発表した25年3月期第2四半期累計(4~9月)決算は、純利益が前年同期比6.6%増の164億2000万円となった。

■沖電気工業 <6703>  1,041円  +36 円 (+3.6%)  本日終値

沖電気工業<6703>が大幅高。午後1時ごろ、4~9月期連結決算を発表。売上高は前年同期比13.0%増の1976億6400万円、営業利益は同6.1倍の61億5600万円だった。大型案件の着実な取り込みが奏功したほか、前年同期の部材コスト増の影響が剥落したことが寄与した。これを好感した買いが入った。

■三菱UFJ <8306>  1,767円  +51.5 円 (+3.0%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが上値追いを継続。米大統領選はトランプ前大統領がハリス副大統領に圧勝し返り咲きを果たしたことで、前日の米国株市場は全面高に買われた。特にゴールドマン<GS>が13%高、JPモルガン<JPM>が11.5%高に買われたのをはじめ大手金融株の上昇が際立った。トランプ政権下での規制緩和により収益環境に強力な追い風が吹くとの思惑が、投資資金を誘導している。そうしたなか、東京市場でも米国事業を展開するメガバンクの上値に期待する動きが出ている。前日にメガバンクは米株市場に先立って大きく買われたが、きょうも米金融株高に追随する形で買いが継続している。

■トヨタ自動車 <7203>  2,762円  +77.5 円 (+2.9%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が続伸。米国大統領選でトランプ氏の返り咲きが決まり、前日の欧州市場では関税引き上げによる業績面での悪影響が警戒され、BMWやメルセデス・ベンツなどの株価が大幅安となった。一方、7日の東京外国為替市場でドル円相場は一時1ドル=154円70銭台までドル高・円安が進行。米長期金利の上昇を背景に、日米金利差の拡大を見込んだドル買い・円売りの流れが続いている。トヨタは6日の取引時間中に25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。世界全体の販売台数計画を引き下げながらも、売上高と営業利益、最終利益の通期の予想は据え置き、増配予想を示した。業績の安定感を見せつけた同社株にとって生産・販売の下振れはある程度織り込まれていた面もある。足もとの円安基調を背景に、決算内容を評価した買いが継続したようだ。

■ユナイテッドアローズ <7606>  2,303円  +50 円 (+2.2%)  本日終値

ユナイテッドアローズ<7606>が高い。午後0時30分ごろ、25年3月期連結業績予想について売上高を1500億円から1509億6000万円(前期比12.4%増)へ、営業利益を73億円から77億円(同14.2%増)へ上方修正すると発表した。雇用・所得環境の改善や外出機会の増加に伴う堅調なファッション需要の継続と、インバウンド売り上げの拡大などが寄与する見通し。これが好感された。

■任天堂 <7974>  8,208円  +108 円 (+1.3%)  本日終値

任天堂<7974>が続伸。同社は5日取引終了後に上期決算を発表するとともに、25年3月期連結業績予想の下方修正を公表した。ただ、市場には26年3月期以降の業績回復観測が出ているほか、足もとの円安も追い風に働くとの期待もある。岩井コスモ証券は6日、同社株の投資判断「A」と目標株価1万円を継続した。同社の今期業績予想は連結営業利益が4000億円から3600億円(前期比31.9%減)へと減額された。家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売台数が予想より下振れることなどが響く。ただ、同証券では市場の関心はスイッチの後継機にあることから業績減額修正の影響は限られるだろう、と指摘。スイッチ後継機は早ければ来年3月にも発売される可能性があり、同機による業績押し上げ効果で来期以降は業績回復局面を迎えるとみている。

■GMOメディア <6180>  3,745円  +700 円 (+23.0%) ストップ高   本日終値

GMOメディア<6180>がストップ高。6日の取引終了後、24年12月期の連結経常利益は7億1000万円(前期比31.4%増)になりそうだと発表。従来予想の6億4000万円から上方修正し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが好感された。利益率の高い自社メディアの投資育成事業(EdTech及び美容医療)が順調に成長を続けていることに加え、AI・RPAの利活用で業務効率化が進展したことが上振れの要因としている。あわせて、期末一括配当を従来計画の121円から174円(前期は105円)に大幅増額修正した。業績好調に伴う普通配当23円、5カ年計画超過達成&上場10期記念配当30円を上積みする。

■玉井商船 <9127>  1,740円  +300 円 (+20.8%) ストップ高   本日終値

玉井商船<9127>がストップ高の水準となる前営業日比300円高の1740円に買われた。同社は7日午後2時半、25年3月期の連結業績予想の修正を発表。今期の売上高予想は7億円減額して53億円(前期比14.8%減)に見直した一方、最終利益予想は21億円増額して25億2000万円(同3.4倍)に大幅に上方修正した。未定としていた年間配当予想については前期と横ばいの80円とした。配当利回りの高さも関心を集める要因となり、好感されたようだ。グループ所有の外航船1隻について11月中の売船を予定しており、特別利益を計上する。あわせて開示した9月中間期の売上高は前年同期比18.9%減の27億8000万円、最終利益は同18.0%増の3億6700万円となった。

●ストップ高銘柄

テモナ <3985>  228円  +50 円 (+28.1%) ストップ高   本日終値

ホリイフードサービス <3077>  468円  +80 円 (+20.6%) ストップ高   本日終値

Hmcomm <265A>  1,001円  +150 円 (+17.6%) ストップ高   本日終値

など、9銘柄

●ストップ安銘柄

Birdman <7063>  610円  -150 円 (-19.7%) ストップ安   本日終値

GMO TECH <6026>  6,810円  -1,500 円 (-18.1%) ストップ安   本日終値

など、2銘柄

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.