欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米次期政権の政策運営や米インフレにらみ
8日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米トランプ次期政権の政策運営はドル高を招くとの見方から、ドルは売りづらい。また、来週発表の米インフレ指標は堅調な内容が予想され、ドルに買いが入りやすい展開となりそうだ。
米大統領選でトランプ前大統領の再登板を受け、政策期待によるドル買い地合いは継続。また、連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25%の利下げを決定したが、今後の緩和的な政策方針に対する見解は分かれ、ドルは売り買い交錯。ユーロ・ドルは1.0820ドル台から1.0760ドル台に下げ、ドル・円は153円40銭台から152円台に軟化した。本日アジア市場で中国株安が嫌気され、ドル・円は一時152円半ばに値を下げた。
この後の海外市場は重要イベントの通過に伴い、リスク要因の後退により安全通貨の円に売りが出やすい。また、トランプ次期政権の発足に向け、政策運営をにらんだドル買いは継続。連邦準備制度理事会(FRB)による今後の利下げペースを見極めようと、ドルは売りづらいだろう。一方、来週発表の米国の消費者物価指数(CPI)は前回を上回ると予想され、インフレ再加速への思惑がドル買いをサポートすれば下値は堅いとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・22:30 カナダ・10月失業率(予想:6.6%、9月:6.5%)
・22:30 カナダ・10月雇用者数増減(予想:+2.72万人、9月:+4.67万人)
・24:00 米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:71.0、10月:70.5)
・01:00 ボウマン米FRB理事講演(銀行関連)
・04:30 ムサレム米セントルイス連銀総裁あいさつ(録画、同行開催イベント)
《CS》