前場に注目すべき3つのポイント~トランプ・トレード継続も関税への警戒くすぶる~
11日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■トランプ・トレード継続も関税への警戒くすぶる
■ソフトバンク、25/3上方修正 営業利益 9500億円←9000億円
■前場の注目材料:連続勤務14日以上禁止へ、厚労省検討、最長48日可能見直し
■トランプ・トレード継続も関税への警戒くすぶる
11日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場はNYダウが259ドル高、ナスダックは17ポイント高だった。トランプ政権による政策期待の買いが継続した。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が追加利下げに含みを持たせたほか、ミシガン大消費者信頼感指数が予想を上回ったことも安心感につながった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比365円安の39135円。円相場は1ドル152円70銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢の展開から始まりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時38960円と節目の39000円を下回る場面もみられた。同水準で推移する25日線が支持線として意識されやすいが、決算発表がピークを迎えるなかで、積極的なリバウンド狙いの動きは限られそうである。また、米国では主要3指数がそろって最高値を更新しているが、半導体株の弱い値動きが目立っており、SOX指数は下落している。アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重荷となる可能性がある。
米国ではトランプ・トレードが継続しているほか、VIX指数は14.94と不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を明確に下回っており、リスク選好に向かわせやすい。ただし、半導体株の弱い値動きなどトランプ政権による大幅関税を警戒した動きもみられている。また、日経平均株価は先週末11月のSQでは、SQ値(39901.35円)を捉えることができなかった。まずは下値の堅さを見極めつつ、押し目狙いのスタンスになりそうだ。
物色は決算を手掛かりとした個別対応になりやすく、8日の取引終了後に決算を発表したところでは、セコム<9735>、オリンパス<7733>、東急<9005>、京急<9006>、三菱マ<5711>、三井金<5706>、東芝テック<6588>、ダイフク<6383>、科研薬<4521>、高砂香料<4914>、アイスタイル<3660>、ips<4390>、日電子<6951>などが注目される。なお、今週も1400社超の企業が決算を発表するが、14日でピークは通過する。その後は機関投資家も動きやすくなり、大きく売られた銘柄などには見直し買いの動きが意識されてきそうだ。
そのほか、本日は特別国会を召集され、内閣総理大臣を指名する選挙が行われる。石破茂首相は決選投票の末、第103代首相に選出される見通しである。石破政権に対する政策期待から、地方創生などのテーマ株への物色もあるだろう。
■ソフトバンク、25/3上方修正 営業利益 9500億円←9000億円
ソフトバンク<9434>は2025年3月期業績予想の修正を発表。売上高は6兆2000億円から6兆3500億円、営業利益を9000億円から9500億円に上方修正した。子会社でスマートフォン決済大手のPayPayが好調なほか、モバイル事業が回復していることも寄与した。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(39500.37、+118.96)
・NYダウは上昇(43988.99、+259.65)
・ナスダック総合指数は上昇(19286.78、+17.32)
・VIX指数は低下(14.94、-0.26)
・米長期金利は低下
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・連続勤務14日以上禁止へ、厚労省検討、最長48日可能見直し
・政治改革、各党協議呼びかけ、第2次石破内閣あす発足
・移動トイレやキッチンカー、防災備蓄品導入に補助、政府方針
・公明、裏金けじめ要求、党首会談、首相、協議呼びかけへ
・バイオ燃料、全新車に、30年代、経産省目標
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 9月経常収支(予想:+3兆5523億円、8月:+3兆8036億円)
・08:50 日銀金融政策決定における主な意見(10月30-31日分)
<海外>
・特になし
《ST》