株価指数先物【寄り前】 ハイテク株を睨んでの+1σ水準の攻防
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39630 +80 (+0.20%)
TOPIX先物 2751.0 +10.0 (+0.36%)
シカゴ日経平均先物 39635 +85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。そろって最高値を更新した。トランプ政権による減税や規制緩和策がもたらす景気回復を期待する買いが続いた。また、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、今後の利下げについて含みを持たせたことも投資家心理を支えている。NYダウの上げ幅は一時500ドル近くに達する場面もみられ、S&P500指数は初の6000台に乗せた。
ナスダック指数は引き続きテスラ<TSLA>のインパクトが大きく、一方で半導体株は軟調だった。米商務省が台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>対し人工知能(AI)などに使用する先端半導体の中国企業への出荷停止を命じたと報じられたことが嫌気され、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>、アプライドマテリアルズ<AMAT>、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など他の半導体株に売りが波及しており、半導体SOX指数は2.5%下落した。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比85円高の3万9635円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万9610円で始まり、3万9560円を安値にロング優勢となり、3万9800円台を回復。その後軟化し、米国市場の取引開始直後には3万9600円まで上げ幅を縮めた。売り一巡後は3万9810円まで買われたが上値は重く、中盤にかけて3万9570円まで軟化し、3万9630円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ただし、米国の対中規制強化を受けた米半導体株の弱い値動きは、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への重荷になりそうだ。トランプ政権による関税強化、それに対する中国政府の報復措置への警戒が燻るなか、ハイテク株主導の上昇は期待しづらいところである。
日経225先物はナイトセッションでは3万9500円接近での底堅さがみられており、同水準に位置するボリンジャーバンドの+1σ(3万9580円)での攻防が意識されやすい。+1σを下回っての推移が続くようだと、短期的なショートを誘う動きがありそうだ。半面、+1σを上回って推移し、値がさハイテク株の底堅さがみられる局面では、ロングを誘う展開もあるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円を中心とした上下の権利行使価格3万9375円から3万9875円のレンジを想定する。
11日の米VIX指数は14.97(前日は14.94)と小幅に上昇した。直近のボトム圏での推移であり、引き続き不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている。200日移動平均線が15.80に位置しており、同線を上回ってくるまではトランプ・ラリーの継続が意識されやすく、リスク選好の状況である。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。一時14.33倍に低下する場面もみられたが、その後は前週末の終値14.38倍を上回っての推移となった。終盤にかけて日経平均型のインデックス買いの影響によりNTショートを巻き戻す動きもあったとみられる。ただし、7日の14.50倍台から14.30倍まで一気に低下したレンジ内での推移であり、スプレッドは狙いづらいところだろう。75日、200日線が14.28倍辺りに位置しているため、同線が支持線として機能するかを見極めたい。
株探ニュース