外為サマリー:156円40銭台で推移、財務相の円安牽制発言もあって上昇一服
15日の東京外国為替市場のドル円相場は、午後3時時点で1ドル=156円45銭前後と前日の午後5時時点に比べて60銭強のドル高・円安となっている。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が14日の講演で「経済は利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」との見解を示し、米利下げ観測が後退したことからドル買い・円売りが先行した。また、きょうはゴトー日(5のつく日と10のつく日)で国内輸入企業など実需筋のドル調達需要が意識されたこともあり、ドル円相場は午前9時40分すぎに一時156円75銭と約4カ月ぶりのドル高・円安水準をつけた。ただ、週末を控えて利益確定や持ち高調整を目的としたドル売り・円買いも入りやすく、仲値(午前9時55分頃に決まる金融機関が外国為替取引をする際の基準となるレート)を通過すると上昇一服。加藤勝信財務相が為替市場について「動向を極めて高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きには適切な対応を取る」と一段の円安を牽制したことも上値の重さにつながった。米金利の先高観が根強いことからドルを売る動きは目立たないものの、日本時間今晩に10月の米小売売上高などの発表を控えていることもあって積極的には動きにくく、午後は156円台前半から半ばで推移した。
ユーロは対ドルで1ユーロ=1.0540ドル前後と前日の午後5時時点に比べて0.0010ドル程度のユーロ安・ドル高。対円では1ユーロ=164円91銭前後と同50銭程度のユーロ高・円安で推移している。