来週の為替相場見通し=ドルは上げ一服商状か
来週のドル円相場は、足もとでのドル急騰に対する警戒感から一服商状となりそうだ。予想レンジは1ドル=154円00銭~157円50銭。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が14日の講演で「経済は利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」との見解を示し、米利下げ観測が後退したことから15日の東京市場でドル円相場は一時156円75銭と約4カ月ぶりの水準をつけた。ただ、市場では日本の通貨当局による円買い介入への警戒感が高まりつつあり、15日には加藤勝信財務相が「動向を極めて高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きには適切な対応を取る」と一段の円安を牽制した。また、日銀の植田和男総裁が18日と21日に予定される講演で追加利上げについて踏み込んだ発言をした場合、円が買い戻される可能性がある。とはいえ、米大統領と上下両院の過半数を共和党が占める「トリプルレッド」となることが確実視されるなか、トランプ氏が掲げる減税や関税引き上げといった政策が米国内のインフレ圧力を高めるとして米金利の先高観は根強いことからドル買いが大幅に縮小することはないだろう。
来週に海外で予定される主な経済指標は、18日に9月のユーロ圏貿易収支と11月の米NAHB住宅市場指数、19日に10月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値と10月の米住宅着工件数、20日に10月のドイツ生産者物価指数(PPI)と10月の英消費者物価指数(CPI)、21日に11月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数と10月の米景気先行指標総合指数、22日に11月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値と11月の米ミシガン大学消費者態度指数・確報値など。国内では18日に9月の機械受注、20日に10月の貿易統計、22日に10月の全国CPIが公表される。