伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 11月17日版
日経平均は3万7000円の節目を試す動きになる公算も
1. ドル・円相場は、156.74円が戻り高値になる可能性が出てきた
図1は、ドル・円相場の日足です。7月3日の高値161.95円が戻り高値となった後、9月16日の安値139.52円まで、22.43円幅の円高の動きを経過しています。
図1 ドル・円相場(日足)
これは、日銀の政策転換により円安の流れが終息したことを示す動きだと言えます。
9月16日までの円高方向への値幅が示した市場参加者の思惑が現在も継続しているなら、9月16日以降の円安の動きは161.95円へ近づくことなく、上値を抑えられるはずです。
161.95円へ近づくことなく下げるとするなら、上値の目安は、161.95円をつける前に保ち合っていた値位置である155円前後が有力だと考えられます。
ドル・円相場は、15日に価格が下げたことで、15日の高値156.74円が強い抵抗になっていることを示しました(値動きだけを見ると、10月31日、11月7日の円高の動きよりも、かなり強い反転サインとなっています)。
今後、161.95円を超えることなく、円高方向へ推移する(161.95円以下の地点がレンジ上限となった保ち合いの動きへ入る展開を含む)という見方が正しければ、156.74円が9月16日以降の円安の流れの終点になる可能性が大きくなったと言えます(ダブル・トップを形成する場合、若干だけ156.74円を超えることも考えられます)。
156.74円が戻り高値になっているなら、目先は円高の動きを継続して、11月6日の安値151.27円まで下げる公算です。
一方で、再上昇を開始して156.74円を超える動きになる場合、その上げは時間の経過とともに161.95円が強い抵抗ではないという見方に変わってきている可能性を示唆しています。
したがって、156.74円を超える動きになる場合、その後は161.95円が強い抵抗であることを確認する作業、つまり「日柄をかけて上値を抑えらえれる」か、または「161.95円へ接近して、強く上値を抑えられる」という動きを経過する必要が出てきます。
目先の価格が156.74円を超える展開になる場合、週明け後、すぐに反発を開始して、15日の下げが一時的な動きで終わることを示す展開になる公算です。