株価指数先物【寄り前】 200日線、+1σ水準での底堅さを見極め

市況
2024年11月19日 7時57分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 38310 +50 (+0.13%)

TOPIX先物 2705.5 +11.5 (+0.42%)

シカゴ日経平均先物 38340 +80

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

18日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500ナスダックは上昇。このところ市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米連邦準備理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が高まっており、米長期金利の高止まりが警戒された。また、次世代の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」に過熱問題が生じたと伝わり、投入遅延が懸念されたエヌビディア<NVDA>が売られた。一方、トランプ次期政権が自動運転の規制緩和を模索しているとの報道を受けてテスラ<TSLA>が買われており、S&P500指数、ナスダック指数を押し上げる形になった。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比80円高の3万8340円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比70円安の3万8190円で始まり、その後は緩やかな調整トレンドを描き、3万8140円まで売られた。ただし、米国市場の取引開始後に上昇に転じると、一時3万8530円まで買われた。買い一巡後は終盤にかけて持ち高調整により軟化したが、3万8310円とプラス圏をキープしてナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは200日移動平均線(3万8290円)を下回って始まったが、その後は同線を挟んでの推移となった。200日線水準での底堅さがみられるようだと、ややロング優勢のなかで前日の下落分を埋めに行く動きが期待されそうだ。また、ボリンジャーバンドの-1σが3万8330円辺りで推移しているため、同水準を明確に上回ってくると、25日線(3万8870円)辺りが次第にターゲットとして意識されよう。

もっとも、S&P500指数、ナスダック指数の上昇はテスラのインパクトが大きく、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>など大型テック株の一角も買われているものの、エヌビディアの弱い値動きが指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になる。20日のエヌビディアの決算を通過するまでは積極的なロングは手控えられよう。

そのため、200日線を挟んだ3万8000円から3万8500円のレンジを想定し、まずは200日線、+1σ水準での底堅さを見極めたい。支持線として意識されるようだと、オプション権利行使価格の3万8375円から3万8875円のレンジになりそうだ。

また、トランプ氏のメディア企業であるトランプ・メディア&テクノロジー<DJT>は、暗号通貨取引企業のバックト<BKKT>の買収に向けて最終段階の交渉を行っていると伝わった。トランプ・メディアの株価は16%を超える上昇だった。テスラの上昇もトランプ次期政権の政策に絡んだ要因であり、引き続き閣僚人事や政策など次期政権の政策に関連する動きに振られやすい需給状況であろう。

18日の米VIX指数は15.58(前日は16.14)に低下した。不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている状況であるほか、再び200日線(15.85)を割り込んできたことで、リスク選好に傾きやすいと考えられる。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。一時14.16倍まで下げており、75日・200日線(14.29倍)を明確に下放れてきた。ナスダック指数の上昇によりハイテク株の一角には買いが先行するとみられ、若干ながらNTショートを巻き戻す動きが入りそうだ。ただし、75日・200日線が抵抗線として機能する可能性もあるため、戻りの場面では新たなNTショートの動きもありそうだ。

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