ダウ先物が下落 地政学リスク再燃 ウクライナ巡る不透明感が強まる=米国株
米株価指数先物(12月限)(NY時間08:38)(日本時間22:38)
ダウ先物 43258(-282.00 -0.65%)
S&P500 5891.50(-28.50 -0.48%)
ナスダック100先物 20538.50(-95.00 -0.46%)
きょうの米株価指数先物市場でダウ先物、S&P500、ナスダック100とも下落。ここに来てウクライナ情勢への不透明感が強まっている。プーチン大統領が核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したことで、市場は地政学的リスクを再燃させているようだ。プーチン大統領はドローンを含む通常兵器による大規模攻撃を受けた場合の対応として、核による報復を可能にする大統領令に署名した。
なお、ウクライナはロシア領内に米国から提供された長距離ミサイル「ATACMS」での初のロシア領内への攻撃を実施したと伝わった。
一方、投資家は明日のエヌビディア<NVDA>の決算を待っている。同社は前日に次世代AIチップ「ブラックウェル」のサーバーラックの設計変更をサプライヤーに要請していると伝わっていたが、そのような中で、ブラックウェルの需要をどの程度見込んでいるかに注目が集まっている。
小売り大手の決算も発表になっており、ウォルマート<WMT>が取引開始前に8-10月期決算(第3四半期)を発表。米既存店売上高が予想を上回ったほか、1株利益、売上高とも予想を上回った。25年度通期のガイダンスも公表し、1株利益、売上高とも見通しを上方修正している。顧客の平均単価の伸びは鈍化したものの、消費者は購入する商品数を増やしており、1来店あたりの購入額を押し上げた。株価は時間外で上昇。
一方、ホームセンター2位のロウズ・カンパニーズ<LOW>も取引開始前に8-10月期(第3四半期)決算を発表。通期の見通しを上方修正するなど好決算を発表したものの、時間外で株価の反応は鈍い。同社は住宅市場低迷による波及効果を受け続けており、予想は上回ったものの売上減少の傾向は続いている。
S&P500企業の約93%が決算を終えているが、そのうち4分の3が予想を上回る1株利益を計上し、60%以上が予想を上回る売上高を計上している。
ただ、米株式市場は次第に上値が重くなっているが、市場からは楽観的な声も多く聞かれる。「好調な経済、FRBの利下げ、第3四半期の好決算を背景に上昇傾向にあった。株式市場は好調で投資家が懸念するような後退は見られそうにない」との指摘も出ていた。
サーバーメーカーのスーパー・マイクロ<SMCI>が時間外で大幅高。同社は新たな監査法人を起用し、ナスダック市場の上場要件を順守するための計画を提出したことで、ひとまず安心感が広がっている。同社は前日、遅れている年次報告書(フォーム10K)を提出するための計画をナスダック市場に提出したと発表。また、会計事務所BDO・USAを独立監査人に指名し、同事務所が即時就任すると明らかにした。
仮想通貨取引のバックト<BKKT>が本日も時間外で買いが強まっている。前日の通常取引終了間際にトランプ氏のメディア企業であるトランプ・メディア<DJT>が同社を買収する方向で協議を進めていると伝わった。交渉は進んだ段階にあるという。
(NY時間08:48)(日本時間22:48)時間外
ウォルマート<WMT> 86.42(+2.34 +2.78%)
ロウズ<LOW> 268.00(-3.77 -1.39%)
スーパー・マイクロ<SMCI> 26.34(+4.80 +22.28%)
バックト<BKKT> 33.52(+3.81 +12.82%)
アップル<AAPL> 226.70(-1.32 -0.58%)
マイクロソフト<MSFT> 413.89(-1.87 -0.45%)
アマゾン<AMZN> 200.21(-1.49 -0.74%)
アルファベット<GOOG> 175.77(-1.03 -0.58%)
テスラ<TSLA> 335.44(-3.30 -0.97%)
メタ<META> 550.69(-3.71 -0.67%)
エヌビディア<NVDA> 140.46(+0.31 +0.22%)
AMD<AMD> 137.94(-0.99 -0.71%)
イーライリリー<LLY> 724.10(-3.10 -0.43%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース