トランプ氏の歳出削減策で一部防衛関連に圧力 注目はブーズ・アレン、レイドス=米国株個別
(NY時間11:37)(日本時間01:37)
ブーズ・アレン・ハミルトン<BAH> 138.82(-1.72 -1.22%)
レイドス<LDOS> 158.61(-0.23 -0.14%)
米大手証券のアナリストは、トランプ氏の歳出削減策で、一部の航空宇宙および防衛関連株が圧力を受ける可能性があると指摘している。米国防予算はまもなく頭打ちとなり、減少に転じると予測。理由の1つとして、防衛予算が過去最高額に達していること、現在の地政学上の対立が解決に向かう可能性があることを挙げている。
また、トランプ氏の「政府効率化省(DOGE)」創設計画は連邦機関の再編と歳出削減により、国家債務削減を目指すという同氏の意向を踏まえると、必ずしも国防部門の支援にはならないと指摘。国防総省は歳出総額の大きな割合を占めている。
DOGEが国防支出に影響を与えるかどうかに関わらず、同アナリストはすでに、防衛セクターに対して慎重な見方をしているという。国防総省の予算は歴史的なサイクルと支出水準から見てピークに近く、防衛企業の利益は構造的な圧力下にある一方、バリュエーションは高いままだという。国防支出は長期的に上下動を繰り返していることから、政府支出全体の削減努力に対して脆弱である可能性があるという。
トランプ氏は米軍と国防総省に対して幅広い支持を表明しているものの、いかなるコスト削減努力も国防予算にとっては打撃となり得るとも指摘。国防に手を付けずに政府支出の大幅削減に乗り出すのは困難で、国防予算には軍事的な準備態勢や能力を必ずしも低下させることなく、総額を削減できるだけの非効率性が潜在的に存在していると指摘している。
どれらを受けて同アナリストは、ロッキード<LMT>、ノースロップ・グラマン<NOC>、L3ハリス<LHX>、ハンティントン<HII>の売り推奨を維持している。
上記4社の株価は今月大幅に下落しており、ロッキードは13%以上、ハンティントンは25%近く下落。特にロッキードはF-35戦闘機プログラムがいくつかの課題に直面している。
一方、政府IT関連企業への注目を推奨。国家安全保障予算がデータ分析、サイバー、AIへとシフトしている現状において、この分野は防衛用ハードウェアを大幅に上回るパフォーマンスを示しているという。このトレンドの最大の恩恵を受けるのはブーズ・アレン・ハミルトン<BAH>だろうと述べている。レイドス<LDOS>も大幅な売上の伸びと利益を達成した後も、割安な評価で取引されており、買い推奨としている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース