明日の為替相場見通し=日銀の追加利上げ観測が重荷
今晩から明日にかけての外国為替市場のドル円相場は、日銀の早期追加利上げ観測がくすぶるなか上値の重い展開となりそうだ。予想レンジは1ドル=154円50銭~155円30銭。
米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事が20日に「更なる利下げには慎重な姿勢で臨みたい」との認識を示したこともあり、FRBによる利下げペースが緩やかなものになるとの見方が根強い。日本時間今晩に発表される米経済指標が強い内容となれば、米長期金利の上昇とともにドルが買われる可能性がある。ただ、ドル高・円安の進行は日本の物価上振れリスクを高め、日銀の早期追加利上げが意識されやすい。日銀の植田和男総裁が21日に「その時点で起きている為替変動の要因も含め、経済・インフレ見通しを策定する際には為替レートの変動も考慮する」「12月の次回の政策決定会合まで1カ月あり、それまでに一段の情報が得られる」などと述べたことに関し、市場では12月利上げをにじませたと受け止める向きもあるようだ。また、ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりがドルの上昇を抑えそうだ。
今晩に海外で発表される主な経済指標としては、前週分の米新規失業保険申請件数、11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の米中古住宅販売件数、10月の米景気先行指標総合指数など。このほか、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長がNPO主催の討論会に参加する予定となっている。