ディアが決算受け上昇 冴えない見通しも期待値がかなり低かったとの指摘も=米国株個別
(NY時間13:11)(日本時間03:11)
ディア<DE> 439.44(+34.48 +8.51%)
農業機械のディア<DE>が上昇。取引開始前に8-10月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、25年度の通期ガイダンスでは予想を下回る純利益の見通しを示した。この見通しからは農家がトラクター購入を増やし始める兆候はほとんど見られていない。
農機セクターは22年のピーク水準からの売上減少に見舞われている。ロシアのウクライナ侵攻を受けて穀物価格が急上昇し、農家には機械への支出を拡大できる余地が生まれていた。多くの農家はその時に農機をアップグレードしており、穀物や油糧種子の価格が4年ぶりの安値付近で推移する中、機械の購入には消極的だ。
ただ、株価は上昇。アナリストは「見通しは良くないが、すでに期待値がかなり低かった」と述べている。「明るい兆候としては北米の在庫が減少しており、在庫削減が定着しつつあることを示唆している」という。
(8-10月・第4四半期)
・1株利益:4.55ドル(予想:3.87ドル)
・売上高:111.4億ドル 28%減(予想:93.3億ドル)
生産・精密農業:43.1億ドル(予想:43.7億ドル)
小型農業・芝生:23.1億ドル(予想:22.5億ドル)
建設・林業:26.6億ドル(予想:26.7億ドル)
(25年度通期見通し)
・純利益:50~55億ドル(予想:58.3億ドル)
・生産・精密農業の売上高:15%減
・小型農業・芝生の売上高:10%減
・建設・林業の売上高:10~15%減
・金融サービス部門の純利益:7.5億ドル(予想:6.363億ドル)
【企業概要】
米国内外において、トラクター、コンバイン、収穫機、土壌改良機、播種機などの農業機械を製造・販売する。また、酪農・家畜用機器や芝生用機器の他、土木・建設用機器も取扱う。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース