株価指数先物【寄り前】 25日線水準が意識されてくる可能性

市況
2024年11月25日 8時07分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 38580 +240 (+0.62%)

TOPIX先物 2716.0 +17.5 (+0.64%)

シカゴ日経平均先物 38595 +255

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

22日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。11月の米総合購買担当者指数(PMI)は55.3と2年7カ月ぶりの高水準だった。景気の底堅さを示したことが材料視されて、景気敏感株や消費関連株などに買いが広がった。また、ユーロ圏の景況感は落ち込んでおり、欧州株から米国株に資金をシフトさせる動きが出やすいとの見方もあった。

ボーイング<BA>やナイキ<NKE>、セールスフォース<CRM>、アメリカン・エキスプレス<AXP>が買われ、NYダウを牽引した一方で、アナリストが投資判断を引き下げたエヌビディア<NVDA>が売られた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、耐久消費財・アパレル、運輸が上昇した半面、半導体・同製造装置、メディア、公益事業が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比255円高の3万8595円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万8350円で始まり、3万8490円まで買われた後に軟化し下落に転じると、3万8050円まで売られた。ただし、3万8000円接近では下値の堅さが意識され、その後は持ち直しており、米国市場の取引開始時にはプラスに転じた。中盤にかけて心理的な抵抗となる3万8500円処での攻防をみせ、終盤にレンジを上放れ3万8490円から3万8580円でのレンジでの推移が続き、3万8580円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションの開始直後に節目の3万8500円水準に上値を抑えられる形で3万8050円まで売られたが、75日移動平均線(3万7930円)が支持線として機能する形で切り返した。米国市場の取引開始時には200日線(3万8350円)を回復し、終盤にかけては上値を抑えられていた3万8500円水準を上回ってきた。

心理的な抵抗線を突破してきたことにより、25日線(3万8720円)が意識されてくる可能性はあるだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円のレンジを想定する。エヌビディアが弱い値動きだったほか、半導体SOX指数も小幅ながら下げていることもあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる可能性はあるが、200日線を下回る局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうである。

NYダウは終値での最高値を更新し、S&P500指数は25日線から上放れ、高値を窺う展開。ナスダックも25日線が支持線として機能しているなか、米国市場の先高期待は強いとみられ、支援材料になりそうだ。米国では今週、28日がサンクスギビング・デー(感謝祭)で休場、翌29日は短縮取引になるため、週後半にかけて商いが細るとみられる。27日には10月の個人消費支出(PCEデフレーター)が発表され、感謝祭の翌日がブラックフライデーとなる。個人消費に関心が集まりやすく、堅調な消費動向が確認されるようだと、米景気に対する楽観的な見方が強まりそうだ。

トランプ次期政権の中国に対する関税引き上げが警戒されて半導体株などは不安定な状況が続きそうなほか、ロシア・ウクライナ情勢が新たな局面に突入しており、地政学リスクの高まりが重荷となるものの、ショートからのエントリーは控えておきたいところだろう。

22日の米VIX指数は15.24(前日は16.87)に低下した。20日に一時18.79まで上昇し、抵抗線として意識されていた25日線(17.96)、75日線(18.03)を上回る場面もみられたが、週末には大きく低下し、200日線(15.89)を下回ってきた。再び200日線を下回ってきたことで、リスク選好に傾きそうだ。

先週末のNT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。21日の米国市場でエヌビディアが買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にはリバウンドの動きがみられており、相対的に日経平均型優位の展開だった。ただし、22日はエヌビディアが売られており、NTロングへの転換には見極めが必要とみられる。バリュー株への物色に向かわせやすく、相対的にTOPIX型優位と考えられ、方向性としてはNTショートでのスプレッド狙いが有効とみておきたい。

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