株価指数先物【寄り前】 米株高も、強いリバウンドは期待しづらい
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38330 -160 (-0.41%)
TOPIX先物 2688.0 -5.5 (-0.20%)
シカゴ日経平均先物 38330 -160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
26日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ次期米大統領が中国からの輸入品に10%の追加関税をかけ、メキシコとカナダに対して25%の関税を課すと表明したことを受け、製品を輸入する製造業やメキシコなどに生産拠点を持つ一部企業の収益悪化につながるとの警戒から、売りが先行した。その後発表された11月の米消費者信頼感指数が約1年ぶりの高水準となり、予想を上回った。米景気や労働市場の底堅さを示したとの見方が広がり、午後に入りNYダウは上昇に転じた。NYダウは5日続伸し、連日史上最高値を更新したほか、S&P500指数も7日続伸で11日以来の最高値を更新。ナスダック指数は4日続伸だった。
NYダウ構成銘柄では開発中の肥満治療薬候補の効果が市場の予想を下回ったアムジェン<AMGN>が売られ、ボーイング<BA>、ナイキ<NKE>、JPモルガン・チェース<JPM>がさえない。一方で、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、セールスフォース<CRM>が買われ、NYダウを牽引した。エヌビディア<NVDA>は小幅ながら3日ぶりに反発。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比160円安の3万8330円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比90円安の3万8400円で始まり、3万8230円まで売られた。売り一巡後は持ち直し、緩やかなリバウンドをみせ、一時3万8530円とプラスに転じる場面もあった。その後は3万8350円~3万8500円辺りで保ち合いを継続していたが、米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、終盤にかけては3万8260円~3万8360円処で推移し、3万8330円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。米国ではNYダウ、S&P500指数が最高値を更新するなど、米景気の底堅さから先高期待が高まっている半面、トランプ氏による関税強化発言を受けて米国と各国の貿易摩擦が激化するとの見方が広がっており、積極的なロングは手控えられそうだ。前日の下落に対する反動が意識されるものの、自律反発の域は脱せないと考えられる。
日経225先物はナイトセッションでは200日移動平均線(3万8380円)を挟んだ値動きだったが、同線を上回って推移するようだと、短期的にはリバウンドが意識されてくる。それでも25日線(3万8700円)を捉える動きは期待しづらいところである。25日線に接近する局面では、戻り待ち狙いのショートが入りやすいだろう。
ボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8190円と中心値(25日)辺りでの値動きが意識されやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円のレンジを想定する。エヌビディアが小幅ながら反発したことで指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅さが意識される可能性はありそうだが、半導体SOX指数が下落しているため、強いリバウンドは期待しづらい。
また、今回のトランプ氏のSNSへの投稿は、金融市場を大きく揺るがした。今後も時間帯を問わない投稿によって市場の変動を引き起こす可能性がある。トランプ氏が創設したSNS「トゥルース・ソーシャル」に市場関係者が一段と注目することで、投稿をきっかけとした乱高下が大きくなりそうであり、ポジションを傾けにくい需給状況となろう。スキャルピング中心のトレードを余儀なくされるなか、投稿によって過剰反応をみせてくる場面が増えそうだ。
26日の米VIX指数は14.10(前日は14.60)に低下した。一時13.88まで低下し、14日につけた直近安値13.59が意識されてきた。このところの米景気や労働市場の底堅さを示す経済指標の発表が続いていることもあり、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍と横ばいで推移。一時14.23倍に低下する場面もみられたが、東証プライムの値下がり数が6割近くを占めるなかでは、NTショートでのスプレッド狙いの動きは限られた。10月中旬の14.70倍からの低下傾向によって、リバランスも意識されやすい。ただし、200日線(14.28倍)辺りが抵抗線として機能する可能性も考えられるため、同水準で上値を抑えられるようだと、NTショートに振れやすくなる可能性はあるだろう。
株探ニュース