話題株ピックアップ【夕刊】(3):椿本興、富士電機、伊藤園

注目
2024年11月29日 15時45分

■椿本興業 <8052>  1,892円  +17 円 (+0.9%)  本日終値

椿本興業<8052>は堅調。28日取引終了後、45万株(自己株式を除く発行済み株数の2.39%)を上限に29日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で自社株を取得すると発表。これが手掛かりとなった。買い付け価格は28日終値の1875円。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、椿本興は29日に買い付けを実施し、上限の45万株を取得した。

■富士電機 <6504>  8,423円  +52 円 (+0.6%)  本日終値

富士電機<6504>は底堅く推移。この日、デンソー<6902>と共同申請した「半導体の供給確保計画」が経済産業省から認定されたと発表した。計画の事業総額は2116億円で、最大助成額は705億円。SiC(炭化ケイ素)パワー半導体の国内における生産能力強化を図る。これが株価の下支え材料となった。

■伊藤園 <2593>  3,249円  +2 円 (+0.1%)  本日終値

伊藤園<2593>がしっかり。28日の取引終了後、取得総数300万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.44%)、取得総額120億円を上限とする自社株買いの実施を発表。これを材料視した買いが株価を下支えした。取得期間は12月3日から来年3月31日まで。また、来年4月15日に300万株を消却する予定。

■日産自動車 <7201>  358.9円  -15 円 (-4.0%)  本日終値

日産自動車<7201>が反落し、年初来安値を更新した。海外での自動車販売の低迷を背景に業績悪化にあえぐ同社は、11月7日の9月中間期決算発表後に株価に下押し圧力が強まった後、アクティビストの保有観測報道を受けて株価に浮揚力が働く場面があった。だが、1ドル=150円台まで円高に振れる為替相場を重荷として戻り売りが顕在化している。28日にはムーディーズ・ジャパンが日産自の発行体格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと発表。格付けは「Baa3」で据え置いた。機関投資家を中心に買い持ち高を圧縮する目的の売りが断続的に続いており、株価水準の切り下げにつながったとみられている。

■ヨコレイ <2874>  795円  -17 円 (-2.1%)  本日終値

ヨコレイ<2874>が下落。同社は29日午後1時、23年9月期と24年9月期の2期の連結財務諸表において、海外取引先に対する売掛金などの債権に関連して特別損失を計上する見込みとなったと発表した。監査法人から18日、前期に計上していた貸倒引当金について、増額に向けた再協議の申し入れがあった。現在も監査法人との間で検証・協議を続けているとしたうえで、特別損失として最大で131億円を計上する見込みとなったという。23年9月期と24年9月期の2期において計上する予定。前期の期末配当金と今期の業績予想に変更はないとしているが、発表を嫌気した売りが優勢となったようだ。訂正や提出が必要な連結決算短信、有価証券報告書については12月下旬の公表を目指す。東京証券取引所は29日、決算訂正に関する発表が行われたことを理由に、同日午後1時00分から午後1時15分の間、ヨコレイの株式売買を一時停止する措置をとった。

■ラストワンマイル <9252>  2,517円  +385 円 (+18.1%) 一時ストップ高   本日終値

ラストワンマイル<9252>は急騰。同社は電力やガス料金、宅配水などの取次販売を手掛けているが、人工知能(AI)を活用した高効率経営を背景に契約者数も順調な伸びを示し、買収子会社の収益貢献が顕在化している。好調な業績を背景に株主還元にも動き出す。28日取引終了後に、これまで未定だった今期年間配当を9期ぶりに20円で復配することを発表した。また、同日に中期経営計画も併せて発表し、最終年度の27年8月期に営業利益22億円(前期実績は9億4100万円)を目指す方針。これらを材料視する買いが集中する格好となった。

■ヘッドウォータース <4011>  10,320円  +1,500 円 (+17.0%) ストップ高   本日終値

■BTM <5247>  2,254円  +400 円 (+21.6%) ストップ高   本日終値

ヘッドウォータース<4011>が3連騰。28日の取引終了後、BTM<5247>と戦略的な資本・業務提携契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが同社とBTMともに流入した。BTMの代表取締役であり株主である吉田悟氏及び田口雅教氏が所有する株式のうち4万4600株(発行済み株数の3.16%)を市場外の相対取引によりヘッドウォが取得する。両社は23年2月に協業強化を公表して以来、スマートシティ推進支援サービスの拡大や地方企業のDX推進などで連携してきたが、その取り組みの結果、AI領域の強みを有するヘッドウォとIT人材調達力や地方人財活用力に強みを有するBTMの提携を深化・拡大させることが両社の業績向上及び企業価値増大につながると判断したという。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。同時にヘッドウォは、12月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これも好材料視されている。投資単位当たりの金額を引き下げ投資しやすい環境を整えることで、株式の流動性を高め、投資家層の更なる拡大を図ることが目的としている。

■ユーラシア旅行社 <9376>  561円  +80 円 (+16.6%) ストップ高   本日終値

ユーラシア旅行社<9376>がストップ高。日本人が短期で出張や旅行目的で中国に入国する際のビザが、翌30日から免除される。中国の短期ビザ免除は4年8カ月ぶり。同社は国内旅行とともに、海外旅行の企画や手配、販売などを事業内容としており、ホームページではタクラマカン砂漠ツアーの再開をアナウンスしている。中国への日本人渡航者の増加が、同社の業績を押し上げるとの思惑から、短期資金が向かったようだ。

●ストップ高銘柄

テクノマセマティカル <3787>  660円  +100 円 (+17.9%) ストップ高   本日終値

日本パワーファスニング <5950>  661円  +100 円 (+17.8%) ストップ高   本日終値

など、6銘柄

●ストップ安銘柄

ビート <9399>  2,230円  -500 円 (-18.3%) ストップ安   本日終値

以上、1銘柄

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