株価指数先物【寄り前】 円高が重荷も、米株高を受けてややロング優勢

市況
2024年12月2日 8時10分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 38160 -10 (-0.02%)

TOPIX先物 2682.0 +3.0 (+0.11%)

シカゴ日経平均先物 38300 +130

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

29日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。12月の米連邦公開市場(FOMC)では利下げに踏み切るとの観測が優勢で、米長期金利の低下が相場の追い風となった。感謝祭翌日の短縮取引で市場参加者は限られていたが、NYダウ、S&P500指数は最高値を更新した。年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」を迎え、大幅な値引きが消費を押し上げるとの期待から、景気敏感株や消費関連株などが買われた。また、米国による中国製半導体への追加規制は想定されていたほど厳しい措置にならないとの報道を受け、エヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買われた。

NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、ボーイング<BA>、ハネウェル・インターナショナル<HON>が買われた。半面、メルク<MRK>やジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>がさえない。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、不動産、銀行、家庭用品・パーソナル用品が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比130円高の3万8300円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比80円安の3万8090円で始まり、ショート優勢のなかで3万8000円まで売られた。同水準での底堅さが意識されて、米国市場の取引開始後はロング優勢となりプラスに転じ、3万8460円まで買われる場面もみられた。米国市場の取引終了後は薄商いのなかで持ち高調整の動きとなり、3万8160円でナイトセッションの取引を終えた。

短縮取引ではあったが、日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まることが見込まれる。ただし、為替市場では円相場が1ドル=149円台と円高に振れて推移しているため、重荷になりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時3万8460円まで買われ、200日移動平均線(3万8410円)を捉える場面もみられたが、同線が抵抗線として意識される形だった。その後は75日線(3万8160円)辺りでの攻防となっており、買い一巡後は方向感に欠ける展開になりそうである。

ただし、3万8000円近辺では底堅さがみられており、同水準に接近する局面は押し目待ち狙いのロングでの対応とみる。下へのバイアスが強まる局面では、ボリンジャーバンドの-2σ(3万7710円)水準が支持線として意識されそうだ。一方で、75日線のほか-1σ(3万8210円)辺りで底堅さがみられるようであれば、200日線突破を試す動きが入りやすいだろう。同線を捉えてくるようだと、25日線(3万8710円)が射程に入ってくる。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円を中心とした上下の権利行使価格3万8000円から3万8500円のレンジを想定する。

なお、ドル円相場は200日線が位置していた152円を明確に割り込んだことで、75日線(148円40銭)辺りが目先的なターゲットになろう。円高が加速するなかではショートが入りやすいとみられるものの、3万8000円割れの水準では押し目待ちの買い意欲の強さもみられており、ショートを積み増す動きは控えたい。

29日の米VIX指数は13.51(前日は13.90)に低下した。14日につけた直近安値(13.59)を下回り、7月半ば以来の水準まで下げてきた。5月下旬につけた11.86が意識されてきており、米国では年末高を意識したリスク選好が傾向として強まろう。

先週のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが、日経平均型の重荷となった。円高進行を背景に輸出関連株も売られたが、リスク回避から内需系が底堅い値動きをみせるなかで相対的にTOPIX型優位だった。本日は値がさハイテク株が買い戻される可能性があり、日経平均型が優位になりそうだが、足もとでは200日線(14.28倍)、75日線(14.31倍)、25日線(14.34倍)が抵抗として意識されやすく、これらを突破するまではトレンド転換は期待しづらく、NTショートが入りやすいだろう。

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