話題株ピックアップ【夕刊】(1):サイゼリヤ、伊藤園、川重

注目
2024年12月3日 15時40分

■サイゼリヤ <7581>  5,600円  +360 円 (+6.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

サイゼリヤ<7581>が急反発。同社は2日、レストラン業態「サイゼリヤ」の11月度の月次報告を公表。既存店売上高は前年同月比23.0%増となり、伸び率が10月度の17.4%から拡大したことが好感されたようだ。既存店の客数が同19.7%増、客単価が同2.8%増となったことが寄与。なお、全店ベースの売上高は同22.4%増となった。

■伊藤園 <2593>  3,524円  +224 円 (+6.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位

伊藤園<2593>が大幅に4日続伸。2日の取引終了後に発表した25年4月期第2四半期累計(5~10月)の連結決算は、売上高が前年同期比4.0%増の2523億2100万円、最終利益が同18.0%減の91億9100万円だった。中間期では2ケタの減益となった一方、8~10月期では最終増益を確保しており、好感されたようだ。8~10月期は、茶系飲料の販売数量が堅調に推移したほか、コーヒー飲料やミネラルウォーターが大きく伸びた。同社は3日、東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT─3)で、100万株の自社株買いを行ったことも開示した。取得価額は33億円だった。

■川崎重工業 <7012>  5,958円  +370 円 (+6.6%)  本日終値

川崎重工業<7012>が大幅続伸。この日、開発パートナーである中国海螺創業グループ及び両社の合弁会社である安徽海螺川崎節能設備製造(CKM)と、車載用廃リチウムイオンバッテリー(LIB)から純度99.5%以上の高純度炭酸リチウムを継続的かつ安定的に回収する運転に成功したと発表しており、好材料視された。共同開発を進めてきたリサイクルシステムは、川重がセメントプラントで培った焼成技術と、化学プラントで培った溶出技術を応用したもので、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンが主成分の正極材を用いたLIBのNCM系、リン酸鉄リチウムの正極材を用いたLIBのLFP系の廃電池をともに処理でき、かつ環境負荷の低い処理方法を採用。特に、熱的安定性が高く分解しづらいために従来回収が困難とされていたLFP系廃電池から純度99.5%以上の炭酸リチウムを継続的かつ安定的に回収することに成功したという。

■関東電化工業 <4047>  1,126円  +69 円 (+6.5%)  本日終値

関東電化工業<4047>が反発。2日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、旧村上ファンド関係者が運営する投資会社エフィッシモ キャピタル マネージメントの保有割合が18.02%から19.12%に上昇したことが判明。これを受けて、思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は純投資、ただしうち1100万2100株については投資一任契約に基づく顧客資産運用のためとしており、報告義務発生日は11月25日となっている。

■GENDA <9166>  2,624円  +154 円 (+6.2%)  本日終値

GENDA<9166>は8日ぶり反発。2日取引終了後、鉄人化ホールディングス<2404>傘下でカラオケ事業を手掛ける鉄人エンタープライズの施設2店舗の店舗資産を取得したと発表した。取得した店舗は「カラオケBanBan」ブランドにリブランディングし、来年1月に新たにオープンする予定という。あわせて月次の進捗レポートを発表。11月度の店舗数は859店舗と引き続き拡大基調を維持した。これら発表が好感された。

■ディスコ <6146>  43,840円  +2,510 円 (+6.1%)  本日終値

ディスコ<6146>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置大手が続伸歩調。前日の米国株市場では半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズ<AMAT>が5%近い上昇をみせたのをはじめ半導体セクターに買いが入り、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2.6%高と続伸し、終値でフシ目の5000の大台に乗せた。これを受けて東京市場でも大手半導体製造装置メーカーを中心に出遅れ修正を狙った投資資金が流入している。一方、上値では戻り売り圧力も強い。足もと外国為替市場で1ドル=150円を下回る円高方向に振れていることは警戒材料ともなりやすく、朝方の買い一巡後の動きが注目される。

■サンリオ <8136>  5,268円  +250 円 (+5.0%)  本日終値

サンリオ<8136>が大幅に4日続伸し、上場来高値を更新した。11月26日にメガバンクや同社社長らによる株式の売り出しを発表。翌27日は短期的な需給悪化などを懸念した売りが優勢となった。「ハローキティ」など有力IP(知的財産)を数多く抱え、業績の拡大基調が鮮明な同社だが、売り出し発表後の下げ一巡後は戻り歩調となり、この日に下落分を埋める格好となった。売出価格は12月10日から13日までのいずれかの日に決める予定となっている。

■ニデック <6594>  2,868円  +119.5 円 (+4.4%)  本日終値

ニデック<6594>が大幅高。同社のサーバー用水冷モジュールは米スーパー・マイクロ・コンピューター<SMCI>向けに採用されている。AIの普及拡大とデータセンターの増設需要を背景に、スーパー・マイクロ・コンピューター向けのビジネスがニデックの業績を押し上げるとの期待が膨らんでいたなか、スーパー・マイクロ・コンピューターの不正会計疑惑が明るみになり、ニデック株の上値を圧迫する要因となっていた経緯がある。そのスーパー・マイクロ・コンピューターは2日、不正会計問題を受けて設置した特別委員会による調査をもとに、不正行為の証拠は見つからなかったと開示。新たなCFO(最高財務責任者)の起用も公表した。一連の疑惑が解消したとの受け止めから同社株が28%を超す急騰劇を演じたことを踏まえ、ニデックへの買い戻しが誘発される格好となったようだ。

■日本郵船 <9101>  5,020円  +185 円 (+3.8%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が軒並み上昇。業種別騰落では33業種中で断トツの値上がり率となっている。中国経済の停滞などを背景に、鉄鉱石や石炭などを運ぶばら積み船市況の値動きを表すバルチック海運指数の下落が顕著となるなか、11月下旬以降調整色が強かったが、PERやPBRなどが際立って低水準で水準訂正を見込んだ買いを誘導しているほか、配当利回りの高さに着目したインカムゲイン狙いの買いが優勢となった。市場では「中国関連の切り口で逆風が意識されたものの、米国の年末商戦が本格化するなかコンテナ船市況の回復が期待される。また、大手3社は直近の外資系証券の目標株価引き上げの動きなどが好感されている面もある」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■タカラトミー <7867>  4,366円  +141 円 (+3.3%)  本日終値

タカラトミー<7867>が堅調推移。SMBC日興証券は2日、タカラトミーの目標株価を4300円から4900円に引き上げた。投資評価は最上位の「1」を継続する。新旧商材がけん引する形で利益基盤の拡大と安定化が続くと想定。「BEYBLADE X」を含む海外向け輸出が想定以上に好調との見方を示したうえで、来年1~3月期には「ディズニー・ロルカナ・トレーディングカード」の投入も控えており、営業利益が力強く成長するとみる。同証券はタカラトミーの26年3月期営業利益予想を従来の294億円から322億円に増額修正した。

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