韓国、戒厳令下で全ての政治活動を禁止
韓国の尹大統領はきょう、深刻化する政治的対立のさなか、野党が政権を麻痺させようとしていると非難する緊急の全国向け生中継演説を行い、戒厳令を宣言した。
尹大統領は「この決定は自由と憲法秩序を守るために行われたものであり、韓国の外交政策に影響を与えることはない」と述べた。また、「北朝鮮の支持者を取り除くことにも役立つだろう」とも付け加えている。
韓国の聯合ニュースによると、演説後に発表された布告では、すべての政治活動とストライキが禁止され、メディアは戒厳司令部の管理下に置かれると発表されたという。
少数与党の尹大統領と最大野党「共に民主党」との間で数カ月に渡って議会で揉め事が続き、行き詰まりを見せていた。「共に民主党」は現在、独自の予算案を議会で可決させようとしており、検察総長の弾劾動議も提出。半面、共に民主党の党首は複数の裁判にかけられ、先月には選挙法違反で有罪判決を受けている。
尹大統領は議会で可決された一連の法案に拒否権を発動し、時には自身の政党を怒らせるなど、ほぼ対立的な態度でこの行き詰まりに対処している。与党「国民の力」の韓党首はフェイスブックへの投稿で、「大統領による戒厳令宣言は誤り。私は国民とともにこれを阻止する」と述べている。
また、聯合ニュースによると、韓国国防相は軍の最高司令官との会議を命じたという。一方、野党の共に民主党は国会に議員を集め、戒厳令解除に向けた対応を協議すると伝えた。
同国の憲法では、国会が戒厳令解除を要求し、全議員の過半数の賛成票が得られた場合、大統領はこれに従うことになっている。
株探ニュース