株価指数先物【寄り前】 +1σ水準での底堅さを見極め

市況
2024年12月4日 8時13分

大阪12月限ナイトセッション

日経225先物 39250 +100 (+0.25%)

TOPIX先物 2754.0 +6.0 (+0.21%)

シカゴ日経平均先物 39240 +90

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

3日の米国市場はNYダウが下落した一方で、 S&P500ナスダックは上昇。S&P500、ナスダックは連日で史上最高値を更新した。10月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は774万4000件に増加し、市場予想を上回った。レイオフ件数は6月以来の低水準となり、低迷していた労働市場が安定しつつあるとして、今週発表される11月の米雇用統計は強い内容になるとの見方が広がった。

また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は今後のデータ次第に左右されるとしつつも、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げを支持した。4日にはパウエルFRB議長の発言機会も予定されているほか、同日のADP雇用統計や6日発表の雇用統計の内容を見極めたいとするムードのなか、主力株の一角には利益確定の売りが出やすかった。

NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN>やアップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>といったハイテクや半導体株の一角が買われた。半面、ハネウェル・インターナショナル<HON>やプロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、スリーエム<MMM>がさえない。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比90円高の3万9240円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万9200円で始まり、3万9420円まで買われた。ただし、日中高値(3万9430円)は超えられず、その後は軟化し下落に転じると、米国市場の取引開始後には一時3万8860円と節目の3万9000円を割り込む場面もみられた。売り一巡後は終盤にかけてショートカバーを交えた切り返しによってプラス圏を回復し、3万9250円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。ナイトセッションで一時3万8860円まで売られる場面がみられたが、韓国のユン・ソンニョル大統領が非常戒厳を宣布すると明らかにしたことがショートを強める形となった。ただ、国会が解除要求決議案を可決したことで非常戒厳を解除する方針を示しているため、日中の波乱はなさそうだ。

下落局面でも25日移動平均線(3万8760円)が支持線として意識されていたほか、その後の切り返しによってボリンジャーバンドの+1σ(3円9260円)水準まで戻しており、+1σ辺りでの底堅さをみせてくるかが注目される。+1σから節目の3万9000円のレンジでは押し目狙いのロング対応とし、+1σ水準を明確に上放れてくる局面では、+2σ(3万9770円)とのレンジを想定したロングスタンスを強める形になりそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9750円のレンジを想定する。

半導体SOX指数は小幅に下落しているため、前日のような指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い動きは期待しづらい。米国の対中半導体規制に対して中国は、米国へのゲルマニウム・ガリウム輸出を禁止するなど、米中間の緊張が高まるなかで積極的にポジションを傾けにくい面もあるだろう。短期的にショートが入りやすい需給状況のなか、+1σや3万9500円など節目を突破する局面ではショートカバーも強まりやすい。

3日の米VIX指数は13.30(前日は13.34)に低下した。小幅な値動きではあるが低下基調を継続するなか、7月19日に瞬間的につけた10.62が意識されやすいだろう。米国では良好な経済指標の発表が相次いでいるが、12月のFOMCでの利下げの可能性は根強く、年末高を意識したリスク選好が強まりそうだ。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。前日に弱い値動きだったファーストリテイリング <9983> [東証P]が買われたほか、東京エレクトロン <8035> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引。一時14.27倍まで上昇し、200日線(14.28倍)に接近する場面もみられた。200日線のほか、14.31倍辺りに位置する25日、75日線を捉えてくるようだと、NTロングによるスプレッド狙いの動きが入りやすいとみられる。

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